昭和48年〜52年の間、私は名古屋の中堅デベロッパーに勤めていました。 あるとき、営業部の課長が困った様子で経理部にやってきました。聞けばあるマンションの定期総会を担当することになり、決算書を作りたいが営業では方法がわからないので、助けてほしいとのこと。それは1年前に分譲され、間もなく初めての総会を迎える総戸数140の大型マンションでした。その頃で億ションと話題になった超高級マンションです。 |
■創業前の中山社長 |
「マンションを分譲して販売するまでがデベロッパー仕事であって、その後は関知しない」というのが業界の一般的なスタンスで、私もそう考えていた一人です。
すると営業部から通帳、領収書(1年分の!)、入居者名簿、管理費の内訳を記したメモが山ほど入ったダンボール箱が運びこまれました。 そして140戸×12ヶ月分のお金の動きを、通帳だけを頼りにコツコツとチェックする日々が始まりました。 約1ヶ月間大変な思いをしましたが、そのお陰でマンション会計の全体像を把握できることができました。そしてこの体験をキッカケに考えたのです。 幸い以前に4年余程、税務会計事務所に勤務していたため、その経験を活かして会計面からマンション管理のあり方について調査し勉強してみると、当時のデベロッパーのマンション管理(とくに会計財務管理)は似たり寄ったりの低いレベルであることが分かってきました。 そして、次の結論に至りました。 そして事業化の可能性を信じ、思い切って昭和52年春34歳のとき“有限会社オフィスなかやま(後に都市ビルサービス(株)に組織変更)”を設立することになりました。 |