■すいせんの言葉
谷川俊太郎(詩人)
あの独特な風貌が懐かしい、文章の独特な語り口も。
懐かしいが過去の人という気がしない。
時代の、精神とともに肉体の肌ざわりや息遣いを、ゆったりとせっかちに味わった植草さん、私たちは今もそのお相伴にあずかっている。
奈良美智(美術作家)
スクラップというには輝きすぎてる玉手箱が、君の町にも届くそうだ。
あの頃、お金がなくて買えなかった僕らのために、時を越えてやって来たプレゼントだね。
角田光代(作家)
若いときに知り合ってよかったもののなかに、植草甚一の本がある。
映画や音楽や町の光景について、隣に座って飽きず話してくれる大人の友達は、彼のほかにいなかったから。
そうしてこんなに粋な友達は、今もってあらわれないのだ。
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