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「お母さん、ぼくは東洋人だから、映画のなかでは白人を全員やっつけなければならないのです」 李小龍ことブルース・リーは、その言葉を残して生涯を閉じた。三十二歳、一九七三年のことである。三十年以上も時が経過した。
だが、その存在感と影響は、絶えることはない。神話化は広がるばかりである。著者は、モロッコを訪れた時、子供たちの「アチョー!」の叫びを耳にした。パレスチナでは、ブルース・リーの海賊版VCDと出会った。 一人のこのアジア人は、なぜ、いまなおスクリーンの中だけではなく、世界中で生き続けているのだろうか。この問いを前に、彼の生涯を追い、出演した作品を読み解き、神話化され続ける背景に迫っていく。
ちなみに、著者の座右の銘は、李小龍の「情熱だけが別の情熱を呼び覚ますことができる」。 日本で初めてのブルース・リーの評伝、ここに生まれる。
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