『AV女優』などの話題作でインタビューの名手として知られる永沢光雄が下咽頭ガンを患った。幸い手術で一命をとりとめたものの、ガンと共に声帯を切除し声を失ってしまった。その声をなくしたインタビュアーが自らの闘病生活を1年にわたり赤裸々に綴った日記。
 朝起きる。ひどい首の痛み。そして、呼吸困難。鼻につながる気管も切除され、呼吸は左右の鎖骨の間に空いた穴から行う。全身にどんよりとした疲れ。まず最初の日課は焼酎の水割りで大量の薬をのどに流し込むことだ。
 そんな、起きあがることもままならない日々でありながら、その日記の筆致はユーモアに満ち、声を失った自分を時にはおかしく、時には悲しく描いている。
 何があっても生きる。だから、みんなも毎日が苦しくても生きて欲しい。弱者への暖かいまなざしを持ち続ける筆者のそんなメッセージが行間にあふれている。