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「私たちはお金を使うとき、品物といっしょに、何かべつのものも確実に手に入れている。大事なのは品物より、そっちのほうかもしれない」
いろんなものを買ったり、買うのをあきらめたり。財布を開けようとするたび、わたしたちはいつも、ものの値段と、それに見合う価値について、ひたむきに考えている。
直木賞作家の角田さんにとっても、同じことだ。ひと一倍お金に無頓着。それでいて、物欲にあらがえないという著者が、お金にまつわる個人的な思い、体験をつづった。
ほしくてたまらない電化製品。輝かんばかりの女になるためのすべすべクリーム。大人がつねに持ち歩くべき財布の中身。待ち人に会えない空白の時間。行けなかったメキシコ旅行。母との忘れられない旅の記憶……。
はたして、それらのお値段は? お金とひきかえに得たものは……?
豊かであるとはどういうことなのか。物欲と日々のくらしから垣間見た、幸福のかたち。
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