著者の好きな言葉の一つに、
 「アメリカには美しくデザインされたものが三つある。合衆国憲法、ジャズ・ミュージック、そしてベースボールだ」
 がある。作家のジュラルド・アーリーが口にしたという。
 確かにアメリカ野球は美しい。怪物たちが住み、天才たちが暮らしている。彼らは、とんでもない物語や瞬間を作っている。
 そんなアメリカ野球に大きな道を切り開いたのが野茂であった。そしてイチローがゴジラ松井がリトル松井などが、物語に一ページを刻みこもうと海を越えていった。
 著者は、書き記す。
 「前々から感じていることだが、野茂英雄がアメリカ野球を選んだのは、よりよい『職業』を得るためというよりも、よりよい『生き方』を得るためだったはずだ。もっとおもしろい野球をしたい、もっと楽しく野球をしたい」
 開いたページには、楽しいボールが飛び交っている。大リーグが百倍面白くなってってくる一冊。