時代や国境をこえて、子どもの本は、なぜこんなにも人びとの心を魅了するのか。
 すぐれた児童文学作家は、大人になっても子どもの心をもちつづけている。実は作家自身が少年少女のままなのだ……。
 本書は、世界中で愛されているアンデルセンや『オズの魔法使い』『ムーミン』シリーズなどの古典的名作から、現代のベストセラー『ハリー・ポッター』の連作まで、それぞれの作品と書き手の実人生との興味つきない関係を明かしていく。
 ニューヨークのコーネル大学で、長く児童文学や民間伝承を教えてきた著者アリソン・ルーリーは、子どもの本の屈指の読み手である。小説でピュリツァー賞、フェミナ賞を受賞している作家でもある。
 胸おどる子どもの本の魅力と不思議を再発見する、秀逸な読書案内。詳細なブックリスト付き。