建前にせよ、平等に基盤をおく社会ではなかなか戦争はできない。兵士を確保する階層社会と、自国を絶対視する愛国心が整ったとき、戦争は遠くないだろう。
 自衛隊がイラクに派遣され、憲法改正が迫るこの時代をどう見るか。私たちが空気のように育った戦後の「平和と平等」の理想はどこへ行ってしまうのか。昭和三〇年代生まれの哲学者とジャーナリストが語り尽くした。
 いまの状況と一〇年前のちがいを一言でいえば、「強者の論理」に居直るということだろう。一方に弱肉強食の新自由主義。他方に強い国家を求める国家主義。前者は個性や多様性、後者は統制が強まるため、両者は両立しないように見えながら、ワンセットで進んでいる。
 そこにはたんなる右傾化ではなく、根底に人間観の変化がある。勝ち組は恩恵を受け、負け組は切り捨てられてよしとする社会に、私たちは向かおうとしているのだ。
 少年時代、好きだった漫画のヒーローたち。あしたのジョーもタイガーマスクも、親がなかったり貧しかったりした。いま、彼らみたいな少年を泣かせるな。少しはカッコつけようよ、という著者たちのメッセージが君に届くか。
 自分さえよければよいという生活保守主義は、やがて自分たちにはねかえる。この思考停止状態に窓を開くには─。現実をめぐる思考の最前線を示す過激対談。