ロードショーが150円だった頃
──思い出のアメリカ映画
川本三郎 一九九五円 昭和三十年代、東京に豪華なロードショー館が続々と誕生した。大型スクリーンに躍るエリザベス・テーラーの肢体に胸ときめかせ、リッキー・ネルソンの銃さばきに息をのむ。それは戦後の貧しい時代に育った少年には夢のような体験だった。ハリウッドが一番輝いていた頃のアメリカ映画の数々を、当時のプログラムの話題も交えて、もう一度味わう回想の映画館。

和田夏十の本
谷川俊太郎編 二五二〇円
『黒い十人の女』 や『炎上』など、夫・市川崑監督作品の脚本家として知られる和田夏十は、62歳の若さで惜しまれつつこの世を去った。脚本のほか、エッセイ、創作、詩、評論など、遺された多くのすぐれた作品を、詩人・谷川俊太郎がセレクトし、一冊に編みあげた。働く女性として、時代に先がけて生きた和田夏十の魅力を網羅した待望の作品集。

小津安二郎のまなざし
貴田庄 二四一五円
小津安二郎の映画には、一見物語には無関係に思える奇妙なショットがちりばめられている。枕もとに置かれた目覚し時計。風にひるがえる洗濯物。煙のたなびく煙突。……。小津の観客には忘れがたいそれらのショットを精細に分析し、その映画術の深奥に迫る。小津映画の秘密をすみずみまで解き明かす、画期的な書き下ろし評論。

映画と私
羽田澄子 一八九〇円
日本でただひとりの女性映画監督として活躍してきた著者が、45年にわたる歩みをみずからふりかえる。『薄墨の桜』『早池峰の賦』『痴呆性老人の世界』『歌舞伎役者片岡仁左衛門』など、観客に大きな感動をあたえる作品はどのようにしてうまれたか。映画監督羽田澄子の仕事を記録した本として、一人の女性の生き方をたどった本として貴重。

素晴らしきかな映画
野口久光 五四六〇円
モンロー、ボガート、アステア、ギッシュ、ヒッチコック──サイレント時代からハリウッド黄金期まで、それぞれの時代に、銀幕を彩った数かずの大スター、名監督たちがいた。34人の映画人の足跡を豊富なエピソードでたどる、著者初の単行本。写真多数、巻末に完全版フィルモグラフィーを収録。この一冊で、映画は百倍たのしくなる!

あなたの想い出 ──Memories of You
高平哲郎  一九九五円
林家三平、勝新太郎、美空ひばり、松田優作、色川武大、景山民夫……わたしたちの記憶に深くきざまれた今は亡き人たち。高平哲郎が、生前親しくしていた23名の「想い出の人びと」の人間味あふれる姿をあざやかに蘇らせ、スタンダードナンバーにのせておくるノスタルジック・エッセイ。 和田誠によるイラストとスタンダードナンバーの解説つき。

未来映画術『2001年宇宙の旅』
ピアース・ビゾニー 浜野保樹、門馬淳子訳  四九三五円
スタンリー・キューブリック監督『2001年宇宙の旅』の製作過程は多くの謎に包まれていた。著者は当時の一次資料を発掘し、その製作過程を解きあかすことに成功した。貴重な多数の図版に加え、シノプシス全文、当時のレビュー記事を収録した本書は、すべてのファンが待ち望んだ、メイキング・オブ・『2001年宇宙の旅』の決定版だ。

シネマで夢を見てたいねん
芦屋小雁  二九四〇円
「映画は醒めて観る夢や。映写機にかけたらこの眼で観られる夢や……。」忍術映画や猫化け映画。キング・コングやドラキュラ、フランケンシュタインなど銀幕の怪物たち。怪奇SF映画のフィルム・コレクターとしての歓びと哀しみ……。上方喜劇の人気者の著者が、コメディアン人生をたどりつつ綴る、この世ならぬ夢と不思議のシネマに捧ぐ讃歌。

定本 映画術
A・ヒッチコック、F・トリュフォー 蓮實重彦、山田宏一訳  四二〇〇円
これが映画だ! 映画の巨匠が華麗なテクニックを大公開。サイレント時代の処女作から最後の作品まで、520枚の写真を駆使して語りつくす。「まず読み物として興味津々」「技術面だけにととまらず、技術と主題、形式と内容とが不可分のものであることを、じつに説得的に語っているところに本書の真の価値がある」(朝日新聞評)

喜劇映画名作案内
アイランズ編 二〇三九円
古今東西の喜劇映画の中から、とっておきの125本を紹介。解説、資料、見どころなど、映画を楽しむための情報が満載。ガイドとしても、読み物としても楽しめる内容です。「『丹下左膳余話・百万両の壷』と『がんばれ! ベアーズ』が並ぶあたり、和モノと洋モノとのバランスがとてもいい。巻末の高平哲郎の喜劇映画話も面白い」(太陽評)



*表記の定価は2003年10月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。