全面自供!
赤瀬川原平  聞き手 松田哲夫 二九八二円
語り下ろしの自伝。聞き手は三十年にわたる友人の松田哲夫。「ハイレッド・センター」の時代からニセ千円札事件。路上観察での南伸坊や藤森照信らとの付き合い。『老人力』などの活躍。大好きなカメラのこと__。赤瀬川原平のラディカルな面が次々とあばかれる。

「爆心地」の芸術
椹木野衣 二九四〇円
日本の「現代美術」が急速に変貌している。「現代美術」をリセットする試みの「日本ゼロ年」展、村上隆の「スーパーフラット」、奈良美智ブーム、横浜トリエンナーレ、NYでのテロなどの現象を受け、ゲーム、アニメ、格闘技などを横断しつつ展開される美術評論。

20世紀はどのようにデザインされたか
柏木博 一九九五円
20世紀のデザインがどのような理想を掲げ、今どのような問題が残されているのか。アメリカのデザイン、バウハウスなど、各国のデザインをはじめ、広告、戦争、サブカルチャーなど、20世紀の特徴的現象を掘り下げる。20世紀デザインの歴史の決定版。

世の途中から隠されていること--近代日本の記憶
木下直之 三九九〇円
日清戦争の時広島に建てられた凱旋碑は、そのまま平和塔となっている。私たちが当たり前だと思っていることの起源は案外新しい。記念碑、肖像写真、見世物。歴史に埋もれた物を掘り起こし日本人の美意識の変遷を辿る、美術からみたもう一つの明治の歴史。

人生は博覧会 日本ランカイ屋列伝
橋爪紳也 二一〇〇円
明治時代にはじまり戦後も続いた博覧会ブーム。その博覧会はたくさん民間ディベロッパーに支えられて、彼らは知恵と技を競って様々な催しを成功させた。日本で初めてアクロバット飛行の興行をした櫛引弓人。巨大な大仏の見せ物を出品した高村光雲。金沢に「宝塚」を創ろうとした平沢嘉太郎。大きな夢を抱きながら近代を生きたランカイ屋たちの人生の物語。

内田魯庵山脈 「失われた日本人」発掘
山口昌男 六九三〇円
埋もれていた内田魯庵の小篇に、失われた知の原郷が隠されていた──。近代日本の諸学、人類学、考古学、民俗学、美術史__は、学校のようなタテ型でない趣味や遊びに根ざした市井の自由なネットワークに芽吹き、魯庵はその象徴的存在だった。本書は、魯庵を手がかりに、近代日本の知の最良の部分と、粋な日本人たちを壮大な規模で掘り起こす、歴史人類学の達成である。

美女とは何か ──日中美人の文化史
張兢 二五二〇円
古来、美女は世の憧れを誘う一方で、男の運命を狂わす悪女であり、亡国の元凶であり、女神、幽霊、異人、薄幸、世の移ろいのたとえであった。また、文化によって時代によって、美人観は大きく変化する。美人は文学や絵画のなかでどのように描かれ、いかにイメージが形成され、機能したのだろうか。東アジアにおける美女と美貌に関する比較文化史の決定版。

ポラエヴァシー
荒木経惟写真、飯沢耕太郎編 二四一五円
女に猫に焼肉に枯れた花_。オモチャ箱をひっくりかえしたようなオールカラー666点もの写真はすべて、アラーキーの目が見て指が触れた現実の生きた標本なのだ。限りなく未完成で生々しいポラロイドの特性を存分に発揮し、愛おしい日々の瞬間を真四角なフレームに定着させた初の本格的ポラロイド写真集。街を口説き女を口説くアラーキーの日常。

女優家M 演技の花道
森村泰昌 一八九〇円
森村泰昌が演技の世界に飛び込んだ。脚本の通し読みで周囲を困惑させた事件。共演者や演出者との交流。蜷川幸雄の舞台「パンドラの箱」と辻仁成監督の映画「フィラメント」で体験した、抱腹絶倒のエピソードと、芸術家ならではの観察眼が光る舞台裏エッセイ。

極彩色メキシコ巡礼
小野一郎 二五二〇円
装飾過剰なウルトラバロックの教会。「死者の日」の箱を飾るロウソクの幻想。遺跡を埋め尽くす大胆なレリーフ。広場で売られるカラフルな民芸品。土着文化と西洋がぎりぎりでせめぎ合うメキシコを、写真家であり建築家でもある著者が紹介するメキシコ紀行の傑作。

*表記の定価は2003年09月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。