憲法と戦争
ダグラス・ラミス 一八九〇円
憲法第九条は死んだか? 交戦権とはどんな権利か? 国家はなぜ戦争をするのか? 日米ガイドラインは何を目指しているのか? ――憲法と戦争をめぐるさまざまな問題を根源から問い直し、これからの「日本国憲法」を考えるために大きな示唆を与える本。

「おじさん」的思考
内田樹 一九九五円
「父性」について語ればフェミニストに反発され、戦争責任について語れば右派・左派双方から攻撃され、おじさんの立場はムズカシイ。リベラルでありながら、イデオロギー的に硬直もせず、肩肘はらない柔軟な考え方・生き方はないものだろうか?「常識」が通用しない時代において、成熟したよき「おじさん」として生きるための必読知的参考書。 安住しない私たちの文化

アフガニスタンの風
ドリス・レッシング 加地永都子訳  一九九五円
ソ連軍のアフガニスタン侵攻から7年目の1986年、イギリス人女性作家がパキスタン国境の町を訪ね、兵士、難民、女性たちの声を聞き取った。多種多様な民族が集まった独立自尊の民。超大国の圧倒的武力を前にしたとき、この国に何が起きたのか。なぜ戦火はやまないのか。人類をとらえつづける戦争という病を考えるための重要な報告、思索行。

写真集 アフガニスタン
クリス・スティール=パーキンス 二一〇〇円
マグナムの名カメラマンが、日々存在する戦争のなかで人びとが生きている現実を写しとった傑作写真集。結婚式、市場、祭り、賭事に興じる男たち。タリバン、北部同盟の兵士たち。羊飼いの少年、ブルカ姿の女たち。廃虚で遊ぶ子供。アフガニスタン最高の詩人マジルーによる物語詩が挿入され、この国の人びとの哀しみと希望を伝える。

「爆心地」の芸術
椹木野衣 二九四〇円
日本の「現代美術」が急速に変貌している。「現代美術」をリセットする試みの「日本ゼロ年」展、村上隆の「スーパーフラット」、奈良美智ブーム、横浜トリエンナーレ、NYでのテロなどの現象を受け、ゲーム、アニメ、格闘技などを横断しつつ展開される美術評論。

新教養主義宣言
山形浩生 一八九〇円
出口のみえない不況、会社はリストラの嵐、年金は先行き不明、学校は崩壊、ドン詰まりで打つ手なしの二ッポン。でもどうせそうなら、もっとアクロバチックでクレイジーな提案をしていこうよ。国家の民営化、選挙権の売買、消費税の連続的引き上げ等々、21世紀の日本社会へ向けた、一見暴論だけど実はまじめで巧妙な提案の数々。いま望まれる新しい知の集積がこれだ。

テレピン月日
大竹伸朗 二九四〇円
現代美術の枠を越え、多彩な作品を発表し続ける芸術家・大竹伸朗。その創作の源はどこにあるのか。伝説の脱獄王白鳥由栄に芸術家の神髄を見、路上の藤圭子のポスターや、海辺の干しタコに心をノックアウトされ……。発見と驚き、創造することへの思索。スリルに満ちた日々を綴り、未発表ドローイングも多数掲載した美術エッセイの決定版。

20世紀はどのようにデザインされたか
柏木博 一九九五円
20世紀のデザインがどのような理想を掲げ、今どのような問題が残されているのか。20世紀をリードしたアメリカのデザインとは? モダンデザインの先駆・バウハウスとは? 各国のデザインをはじめ、広告、戦争、サブカルチャーなど、20世紀の特徴的現象を掘り下げる。またパリのエッフェル塔など、現像物ごとにも振り返る。20世紀デザインの歴史の決定版。

世の途中から隠されていること
木下直之 三九九〇円
日清戦争のとき広島に建てられた凱旋碑は、そのまま平和塔となっている。女装姿のヤマトタケルのイメージは、実は明治につくられたものだ。私たちが当たり前のことだと思っていることの起源は案外新しい。記念碑、肖像写真、見世物など、歴史に埋もれた物を掘り起こし、日本人の美意識の変遷をたどる。美術からみたもう一つの明治の歴史。

全面自供!
赤瀬川原平  聞き手 松田哲夫 三〇〇〇円
語り下ろしの自伝。聞き手は三十年にわたる友人の松田哲夫。「ハイレッド・センター」の時代からニセ千円札事件。路上観察での南伸坊や藤森照信らとの付き合い。『老人力』などの活躍。大好きなカメラのこと……。赤瀬川原平のラディカルな面が次々とあばかれる。

*表記の定価は2003年08月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。