女優家M 演技の花道
森村泰昌 一八九〇円
森村泰昌が演技の世界に飛び込んだ。脚本の通し読みで周囲を困惑させた事件。共演者や演出者との交流。蜷川幸雄の舞台「パンドラの箱」と辻仁成監督の映画「フィラメント」で体験した、抱腹絶倒のエピソードと、芸術家ならではの観察眼が光る舞台裏エッセイ。

「爆心地」の芸術
椹木野衣 二九四〇円
日本の「現代美術」が急速に変貌している。「現代美術」をリセットする試みの「日本ゼロ年」展、村上隆の「スーパーフラット」、奈良美智ブーム、横浜トリエンナーレ、NYでのテロなどの現象を受け、ゲーム、アニメ、格闘技などを横断しつつ展開される美術評論。

全面自供!
赤瀬川原平  聞き手 松田哲夫 二九八二円
赤瀬川原平の語り下ろしの自伝。存在そのものがオブジェだった「ハイレッド・センター」時代からニセ千円札事件。路上観察での南伸坊や藤森照信らとの付き合い。『老人力』などの最近の活躍。大好きなカメラのこと……。赤瀬川原平のすべてがわかります。

ポラエヴァシー
荒木経惟写真、飯沢耕太郎編 二四一五円
女に猫に焼肉に枯れた花……。限りなく未完成で生々しいポラロイドの特性を存分に発揮し、愛おしい日々の瞬間を真四角なフレームに定着させた初の本格的ポラロイド写真集。街を口説き女を口説くアラーキーの日常。オールカラー666点の写真を収録。

極彩色メキシコ巡礼
小野一郎 二五二〇円
装飾過剰なウルトラバロックの教会。「死者の日」の箱を飾るロウソクの幻想。遺跡を埋め尽くす大胆なレリーフ。広場で売られるカラフルな民芸品。土着文化と西洋がぎりぎりでせめぎ合うメキシコを、写真家であり建築家でもある著者が紹介するメキシコ紀行の傑作。

写真生活
坂川栄治 一八九〇円
デザイナーの坂川栄治さんは大の写真好き。写真を堅苦しい芸術の枠から解き放し、もっと身近なものにしたいと考えている。アーバス、クーデルカ、ケルテスなど気になる写真家、画廊の開き方、写真の買い付け、飾り方。写真とのつきあい方を伝授するエッセイ。

世の途中から隠されていること--近代日本の記憶
木下直之 三九九〇円
日清戦争の時広島に建てられた凱旋碑は、そのまま平和塔となっている。私たちが当たり前だと思っていることの起源は案外新しい。記念碑、肖像写真、見世物。歴史に埋もれた物を掘り起こし日本人の美意識の変遷を辿る、美術からみたもう一つの明治の歴史。

20世紀はどのようにデザインされたか
柏木博 一九九五円
20世紀のデザインがどのような理想を掲げ、今どのような問題が残されているのか。アメリカのデザイン、バウハウスなど、各国のデザインをはじめ、広告、戦争、サブカルチャーなど、20世紀の特徴的現象を掘り下げる。20世紀デザインの歴史の決定版。

鉄腕アトムは電気羊の夢を見るか
布施英利 一六八〇円
誕生して50年、今も幅広い層のファンをもつ「鉄腕アトム」。この鉄腕アトムを軸にロボット工学などの現代科学、現代文明、身体、生命倫理について考察する科学エッセイ。鉄腕アトムに描かれたロボット像はどこまで実現されたのか。最先端の技術者たちの声をもとに検証。

KON'S TONE 「千年女優」への道
今敏 一八九〇円
映画「パーフェクトブルー」「千年女優」で新世代のアニメーションを開拓した監督が綴る、制作現場の壮絶な舞台裏と爆笑秘話。日常の観察眼の培い方から、もの作りの姿勢までシニカルに、そしてコミカルに語った、すべてのクリエイター志望者必読の書。

東京の忘れもの 黒澤映画の美術監督が描いた昭和
村木与四郎・村木忍著 浜野保樹編 二七三〇円
終戦直後、変りゆく東京をスケッチした二人の若者がいた。後に黒澤映画の美術監督となる与四郎と忍だ。蒲田に広がる焼跡。新宿の屋台。バラック。長屋。盛り場の看板。時代が置き忘れた暮しが甦るスケッチと、黒澤映画の未発表デザイン画を満載した昭和の記録。

すぐそこの遠い場所
クラフト・エヴィング商會 一八九〇円
「この事典はね。見るたびに中身が変わってゆくのだよ」。不思議な場所アゾットの永遠に未完の事典。遊星オペラ劇場、星屑軟膏、雲母でできた本……。アゾットの事典を、写真や図版を使って紹介しながら、ノスタルジックな世界へと誘う精巧なファンタジー。

*表記の定価は2003年06月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。