沖縄は歌の島──ウチナー音楽の500年

藤田 正 二五二〇円
沖縄は歌にあふれた島である。古典音楽も島唄も新しい沖縄ポップスも、身近にある。そのウチナー音楽の素晴らしさを、様々な歌、人、エピソードを交えながら解き明かす音楽読み物。17世紀の歌姫・恩納なべ、戦前、沖縄の音楽のレーベルをつくった普久原朝喜、世界的なヒットとなった「花」の背景……。音楽を通して語られる芸能の島、沖縄のすべて。

沖縄絵本

戸井昌造  二九四〇円
にぎやかな祭り。市場の活気。広大な米国基地。戦争の痕。豊富な民芸品。沖縄を忘れることのできない元日本軍兵士として、その豊かな自然と人に魅せられた一画家として沖縄と対話してきた著者の、五年間にわたる旅の成果。本島はもとより、離島のすべてをくまなく歩いて描きあげた一〇五枚の絵と文章で構成する、かつてない沖縄案内。

西表島自然誌 ──幻のオオヤマネコを求めて

安間繁樹 一九九五円
島を埋めつくす原生林。頻繁に襲来する台風。マラリア。西表島は人間の侵入を拒み続けてきた。この島に魅せられて二五年、気鋭の動物学者が書き下ろした西表島の自然と生活。ヤマネコの棲む島での人々の逞しい生き方を綴る。「自然とじかにつきあい、ともに生きようとする島民へのやさしい共感にあふれている」(日経新聞)

森の人四手井綱英の九十年

森まゆみ 一九九五円
九十歳を迎える四手井さんは、里山の発見者である。戦前は林野庁の技官として日本の山に入り、戦後は京大の教授として世界中の森を見てきた。森がどのように成り立ち、自然界のなかでどのように役立っているのか。これからどのように森を守ったらいいのか。聞き書きの名手・森さんが、四手井さんの人生に沿いながら、その学問と考え方について聞く。

「歩く学問」の達人

中川六平 一九九五円
鶴見良行、山折哲雄、長井勝一、小沢昭一、森まゆみ、野田知佑……。既成の、机上の学問を追究するのではなく、独自の方法で、自らの民間学を築いた人たち。お仕着せを嫌い、誇りを持って行動し、新しい学問を着実に獲得してきた15人にスポットをあて、強烈な個性、きらめく才能の源泉をさぐり、明かした、今の時代に一石を投じる一冊。

隣人記

鶴見俊輔 二四一五円
人生を振り返ってみると、そこには多くの隣人たちがいる。小学校の同級生。アメリカで出会った哲学者。家族の人たち。そして時代を共に歩いた同伴者や先を歩いている人々。人々だけではない。書物もあり食べ物もありテレビも隣人。老いが深まるにつれ隣人はゆったりと姿を現わしてくるのだ。淡々とした年の重ね方の中ではぐくまれた死生観が聞こえてくる。

おばあさんになるなんて

神沢利子 一六八〇円
くまの子ウーフは、どこから生まれたのか? 自伝『流れのほとり』を書くきっかけは? 創作のエピソードを織りまぜながら、童話作家は、自らの人生の歩みを初めて、ゆったりと話しだした。樺太の少女時代。戦後の貧しい生活。作家としてのスタート──。創作童話(「サクラ色のワンピース」「五つのクジラのストーリー」)も収録。

独学のすすめ

谷川健一  二三四五円
南方熊楠。柳田国男。折口信夫。吉田東伍。中村十作。笹森儀助。明治から昭和にかけて、既成の知識に縛られず、誇りをもって自分の道を切りひらいた巨人たちの生きかたを、民族学の第一人者が語る。「暖かで芯の強い語り口には、読者への強い信頼が感じられる」(日刊ゲンダイ)「混迷の時代に、静かな勇気を与えてくれる一冊」(静岡新聞)

日日談笑──小沢昭一的人生

小沢昭一 二二〇五円
七十歳を迎え、のんびりと一日一日をすごしたいなあ。小沢昭一で、今日この頃の気分である。そんな小沢さんが、自分の好きなこと、楽しいことを語り合ったトークが一冊になった。話相手は、柳家小三治(旅と味と人)、金子兜太(俳句と時代)、網野善彦(大道芸)、杉浦日向子(子供の頃の遊び)、佐野洋子(猫が好き)……総勢二十五人を相手に、小沢節が心地よく流れ、笑を誘う。

内田魯庵山脈──「失われた日本人」発掘

山口昌男 六九三〇円
埋もれていた内田魯庵の小篇に、失われた知の原郷が隠されていた──。近代日本の諸学、人類学、考古学、民俗学、美術史……は、学校のようなタテ型でない趣味や遊びに根ざした市井の自由なネットワークに芽吹き、魯庵はその象徴的存在だった。本書は、魯庵を手がかりに、近代日本の知の最良の部分と、粋な日本人たちを壮大な規模で掘り起こす、歴史人類学の達成である。

*表記の定価は2003年05月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。