世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい

森達也 一七八五円
日本はオウムで、世界は9・11でむき出しになった。メディアの現場は「右へならえ」的な思考停止状態に陥り、憎悪をかきたてられた市民は他者への想像力を衰退させる。世界レベルで広がるこの思考停止の輪に対抗するため、いま私たちにできることは何か?気鋭のドキュメンタリー作家による、21世紀への希望を込めたノンフィクション・エッセイ。

「心」と戦争

高橋哲哉 一四七〇円
この国では「戦争ができる国づくり」への動きが強まっている。しかし、いくら法律を完備しても戦争はできない。それをになう国民の「心」が求められている。教育基本法「改正」、道徳副教材『心のノート』の全小中学生への配布、有事法制など、平和憲法離れが加速するこの時代の根底にあるものを思想的に分析し、どのように生きるかを問う注目の書。

憲法と戦争

ダグラス・ラミス 一八九〇円
憲法第九条は死んだか? 交戦権とはどんな権利か? 国家はなぜ戦争をするのか? 日米ガイドラインは何を目指しているのか? ――憲法と戦争をめぐるさまざまな問題を根源から問い直し、これからの「日本国憲法」を考えるために大きな示唆を与える本。

期待と回想 上・下

鶴見俊輔 各二四一五円
「私は不良少年だった……。」戦後日本を代表する哲学者が、七十余年にわたる自らの思索の軌跡を語りあかした。父母との葛藤。ハーヴァード大学での新しい記号論の哲学運動との出会い。「思想の科学」「べ平連」などの活動。桑原武夫、丸山眞男、吉本隆明らとのエピソード。読書、漫画、編集について──。明日に開かれた対話による思索的自伝。

闇屋になりそこねた哲学者

木田元  一六八〇円
昭和20年、焼け跡の街に一人放り出された17歳の少年はいかにしてハイデガーの哲学と出会
い、それに魅せられたか。満州での少年時代から今日までをたどりつつ、半生をかけて研
究してきたハイデガーのこと、現象学のこと、先生たちのこと、友人たちのこと、読書の
こと、著書や訳書のこと、などなど。日本を代表する哲学者の半自叙伝。

「おじさん」的思考

内田樹 一九九五円
「父性」について語ればフェミニストに反発され、戦争責任について語れば右派・左派双方から攻撃され、おじさんの立場はムズカシイ。リベラルでありながら、イデオロギー的に硬直もせず、肩肘はらない柔軟な考え方・生き方はないものだろうか?「常識」が通用しない時代において、成熟したよき「おじさん」として生きるための必読知的参考書。

期間限定の思想

内田樹 一八九〇円
よきおじさんとして生きるための必読知的参考書『「おじさん」的思考』に続いて贈る、おじさんエッセイ第2弾。成熟した大人である「ウチダ先生」が、ヴァーチャル女子大生を相手に、大人になるためのお説教を連発。現代思想の研究家であり、武道家であり、全身豆知識とも呼ばれる著者が、その薀蓄を傾けて熱く語る、日本社会への苦言・提言集。

チェルノブイリ いのちの記録

菅谷昭 一九九五円
世界中を震撼させたチェルノブイリ原発事故は、近隣ベラルーシの子どもたちに甲状腺ガンという被害をもたらした。そんな放射能に汚染された現地にひとり飛びこんだ日本人医師がいた。手術指導、集団検診、現地若手医師の育成、子どもたちとの交流……あらゆる面から援助を考え実践した菅谷医師が5年半にわたる活動をつぶさに記録した「いのちの日記」。

根をもつこと、翼をもつこと

田口ランディ 一四七〇円
多発する幼児虐待事件、成人式で暴れる青年たち、8月6日の広島で体験したこと、いまも地雷が埋まるカンボジアの現実……、いま生きていくのはキツくてたいへんなことだけれど、でも私たちには想像力という魂の翼がある。『できればムカつかずに生きたい』で第1回婦人公論文芸賞を受賞した作者による、待望のエッセイ集第4弾!

生きちゃってるし、死なないし

今一生 一六八〇円
いま、10代〜20代の若者の間で顕著な広がりをみせている自傷癖。「生きている実感が持てない」などの誘因で手首を切る彼らの心情は、はたしてどのようなものなのか。自殺未遂から自傷癖まで、数多くの「死にたがる人々」「自分を愛せない人」との対話を重ねてきた著者が、出口の見えない自傷の世界からの脱出口をさぐるルポルタージュ。

*表記の定価は2003年05月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。