ニッポン秘境館の謎

田中聡 二四一五円
「秘境」という何とも胸をワクワクさせる響き──その懐かしくも妖しいイメージは高度成長期に多く語られ、雑誌や本で大ブームを巻き起こした。伊勢、志摩、熱海の秘宝館、目黒の寄生虫館、秩父珍石館、ムー大陸博物館……。日本人にとって秘境とは何なのか。日本のなかの秘境的空間を探り、なぜ秘境が人を引きつけるのかを論じた、異色の大研究。

怪物科学者の時代

田中聡 二四一五円
明治時代以降、近代科学に対し、古来からの文化との融合を図った人々がいた。佐田介石。井上円了。桜沢如一。福来友吉。寺田寅彦。橋田邦彦。南方熊楠。稲垣足穂……。彼らの一見怪しくとも大まじめな研究は、その時代の切実な知的闘争であり、その課題は近代を超えられぬ私たちのものでもある。科学のフォークロアとしての異色科学者列伝。

世の途中から隠されていること

木下直之 三九九〇円
日清戦争のとき広島に建てられた凱旋碑は、そのまま平和塔となっている。女装姿のヤマトタケルのイメージは、実は明治につくられたものだ。私たちが当たり前のことだと思っていることの起源は案外新しい。記念碑、肖像写真、見世物など、歴史に埋もれた物を掘り起こし、日本人の美意識の変遷をたどる。美術からみたもう一つの明治の歴史。

人生は博覧会 日本ランカイ屋列伝

橋爪紳也 二一〇〇円
明治時代にはじまり戦後も続いた博覧会ブーム。その博覧会はたくさん民間ディベロッパーに支えられて、彼らは知恵と技を競って様々な催しを成功させた。日本で初めてアクロバット飛行の興行をした櫛引弓人。巨大な大仏の見せ物を出品した高村光雲。金沢に「宝塚」を創ろうとした平沢嘉太郎。大きな夢を抱きながら近代を生きたランカイ屋たちの人生の物語。

明治がらくた博覧会

林丈二 一九九五円
手帳やペン先から、遊戯盤、電信柱、錠前、病用具、バケツ、沓刷、ブランコ、はたまたビリケンやキューピーまで……。一見何のへんてつもない「がらくたの集まり」も、路上観察家・林丈二の眼をとおして見れば「宝の山」にはやがわり。200点以上の貴重な図版とユニークなエッセイで、日本人の生活を垣間みる、見ても読んでも楽しい一冊。

癒える力

竹内敏晴 一五七五円
私たちの「からだ」はみずから癒える力をひめている。閉じこめられた「からだ」を目覚めさせ、新しい自分を見いだすには、どうすればよいか? からだの語ることばに耳を澄まし、人と人との響きあう関係をひらく道をさぐる。長年にわたる「からだとことばのレッスン」の現場での経験と洞察をもとに書かれた、いま孤立に苦しむひとにおくる本。

思想する「からだ」

竹内敏晴 一八九〇円
「私」は「からだ」としてここに在り、世界に棲む。「からだ」として他者に向かい合って立つ(本書より)。思想する「からだ」──それは思想への境界線に立ち耳を澄ませている「からだ」である。 人と人が出会い、じかに触れあい、コミュニケーションすること、人間が人間であることの源を探求してきた著者の、この十年の思索と実践のすべて。

「おじさん」的思考

内田樹 一九九五円
「父性」について語ればフェミニストに反発され、戦争責任について語れば右派・左派双方から攻撃され、おじさんの立場はムズカシイ。リベラルでありながら、イデオロギー的に硬直もせず、肩肘はらない柔軟な考え方・生き方はないものだろうか?「常識」が通用しない時代において、成熟したよき「おじさん」として生きるための必読知的参考書。

期間限定の思想 ──「おじさん」的思考2

内田樹 一八九〇円
よきおじさんとして生きるための必読知的参考書『「おじさん」的思考』に続いて贈る、おじさんエッセイ第2弾。成熟した大人である「ウチダ先生」が、ヴァーチャル女子大生を相手に、大人になるためのお説教を連発。現代思想の研究家であり、武道家であり、全身豆知識とも呼ばれる著者が、その薀蓄を傾けて熱く語る、日本社会への苦言・提言集。

根をもつこと、翼をもつこと

田口ランディ 一四七〇円
多発する幼児虐待事件、成人式で暴れる青年たち、8月6日の広島で体験したこと、いまも地雷が埋まるカンボジアの現実……、いま生きていくのはキツくてたいへんなことだけれど、でも私たちには想像力という魂の翼がある。『できればムカつかずに生きたい』で第1回婦人公論文芸賞を受賞した作者による、待望のエッセイ集第4弾!


*表記の定価は2003年01
月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。