ぼくは本屋のおやじさん

早川義夫 一四七〇円
本と本屋が好きではじめたけれど、この商売、はたでみるほどのどかじゃなかった。小さaな町の小さな本屋のあるじが綴る書店日記。「素直に語れる心のしなやかさがある。成功の高みから書かれた立志伝には求めがたい光沢が見いだせる」(朝日新聞評)「出版が直面する様々な問題を考え直す上で役に立つだろう」(日本経済新聞評)

写真論

スーザン・ソンタグ 近藤耕人訳 一六八〇円
現代は写真の時代である。だれもがカメラマンで、なにもかもが被写体になる。写真がわれわれの意識を支配し、現代文化の隠れた構造を決定づけていることを分析する、現代アメリカの最もラディカルな批評家の本格的写真文化論。アッジェ、アーバスらの作品批評、ベンヤミン、ボードレールらの写真についての断章を収める。

アメリカの鱒釣り

リチャード・ブローティガン 藤本和子訳 一六八〇円
いまここに、魅惑的な笑いと神話のように深い静かさに充たされた物語が始まろうとしている……それはアメリカの都市に、自然に、そして歴史のただなかに、失われた〈アメリカの鱒釣り〉の夢を求めてさまよう男たちの幻想的かつ現実的な物語である。現在アメリカの若者たちにもっとも人気の高い小説家ブローティガンの待望の本邦初訳!

アウトサイド

マルグリット・デュラス 佐藤和生訳 二七三〇円
情熱の作家デュラスは創作の合間に「外の世界」を見つめ、未知との出会いに刺激を受けた。パリの裏町の無名の人々。三面記事をにぎわす男女の愛の狂気。犯罪者の真実……。女優バルドーやジャンヌ・モローの肖像。子どもたちへの宇宙をめぐる聞書。『愛人』に結実したインドシナ時代の回想など。デュラス文学の秘密をあかす27篇の名エッセイ。

マンゴー通り、ときどきさよなら

サンドラ・シスネロス くぼたのぞみ訳 一八九〇円
わたしの名はエスペランサ。スペイン語で「希望」のこと。マンゴー通りのボロッちい赤い家にすんでる……。この街で成功を夢見て、愛を求めて、人生につまずいて、今日も泣き、笑い、生きる人びとの物語を、多感な少女の眼であざやかに映し出す。いまアメリカでもっとも輝いている女性作家シスネロスの衝撃の第一短篇集。

秋のホテル

アニータ・ブルックナー 小野寺健訳 一七八五円
秋。スイス。ジュネーブ湖畔に立つ「ホテル・デュ・ラック」。女性作家イーディス・ホウプは、イギリスを追われるようにシーズンオフのこのホテルへやってきた……現代の愛のかたちを真摯に探りつづける女の孤独な心理を、硬質な美しい文章で描くブッカー賞受賞の話題作。イギリスで今もっとも注目を集めるブルックナーの物語世界を初紹介する。

たんぽぽのお酒

レイ・ブラッドベリ 北山克彦訳 一八九〇円
アメリカはイリノイ州グリーンタウン。輝く夏の陽のなかを、かもしかのように走る少年ダグラス。夏のはじめに仕込んだタンポポのお酒一壜一壜にこめられた、愛と孤独と死と生長の物語。SF文学の名手ブラッドベリが、少年のファンタジーの世界を、閃くイメージの連なりのなかに結晶させた傑作。

ハロウィーンがやってきた

レイ・ブラッドベリ 伊藤典夫訳 一八九〇円
ハロウィーン! 子どもたちが待ちに待った夜。あらゆる伝説の生きものが星空をとびかうこの不思議な祭りの夜。怪人マウンドシュラウド氏に導かれ、八人の少年は時をさかのぼる。古代エジプトへ?、ローマへ?、パリへ?、そしてメキシコへ…。生きることの喜びとおそれにめざめてゆく少年期を、詩情ゆたかに歌いあげた長編ファンタジー。

ひとつのポケットから出た話

カレル・チャペック 栗栖継訳 一八九〇円
かけだし刑事メイズリーク登場!?さっそくアタマを抱えたその難題たるや、意外にも……? 絶妙のユーモアがさえる「ドクトル・メイズリークの立場」を巻頭におき、〈園芸家チャペック〉ならではの好篇「青い菊の花」など、ひと味もふた味もちがったミステリー24篇を収録。思わずうれしくなってしまう不思議な「ポケットの中の図書館」!

ポケットから出てきたミステリー

カレル・チャペック 田才益夫訳 二五二〇円
なくなった足の話。サボテン・コレクターの謎。結婚詐欺事件の顛末。金庫破りと放火魔の真実……こんな味わい深いミステリーがあっただろうか。人間の愚かさ、ぎこちなさ、哀しさをとびきりのユーモアにくるんで贈る24の珠玉の掌篇。人はどのように傷つき、恨み、恐怖をおぼえるのか。チェコが生んだ才人作家チャペックの推理小説家としての面目躍如の一冊。


*表記の定価は2003年01
月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。