わたしの私生活がこれほど人の関心を集めたことがあっただろうか。男性はわたしに次から次へと結婚を申し込んでくる。わたしは国に恋人がいるからと言って断りはするのだが。
「だけどそんなの意味ないよ。もし恋人だったらどうして一緒にこなかったんだい?」とヒンバは切り返す。
確かに! ヒンバの考えはもっともだから、彼らを説得するに足る説明をするのは容易ではない。結婚の申し込みは、ときには午後だけで十人に達することもある。気分はいいが、これでは少し多すぎる。ヒンバたちはかなり直接的にものを言う。たとえば男がひとり挨拶にやって来る。そしてわたしの目を見据えて、単刀直入に言う。
「わたしはお前と寝たい」
この言葉は当然、わたしが覚えた最初のヘレロ語のひとつに数えられる。わたしと一夜を共にしようと誘わなかった男など、ひとりも思い出せない。それは彼らが結婚していようといまいと、関係がない。反対に彼らの妻たちは進んで、夫をあなたと分かち合えるのはうれしいなどと言うのだ。でも、まじめに受け答えするには申し込みが多すぎる。それでわたしはこれを一種のゲームと考えることにした。わたしが誘いをあの手この手で断るのを面白がって、見に来る者も大勢いた。
足を引きずった年寄りのヒンバが何度もしつこくやって来た。彼には三人も妻がいるのに。わたしはなんとか追い払おうとする。
「ヒンバの習慣では、ひとり目の妻がほかの妻を奴隷のように働かせるけど、わたしはあなたの正妻のために働くなんていやよ」
「わかった、わかった! もし妻があんたをきちんと扱わなかったら、あいつをうんと遠くの村にやってしまうよ」
「わたしの国ではね、男と女は平等なの。女が男に服従なんてしない」
「わかった、わかった」
「もしあなたがわたしの幸せを望むなら、わたしを束縛しないで自由にさせてくれないとね」
彼はわたしの出す条件を文句も言わずにすべて受け入れる。そしてわたしの答えを一心に待っている。
「そうね、でもやっぱり考え直すわ!」
そこで男の態度はすっかり変わってしまう。軽蔑に堪えないという顔でわたしを見ると、肩を怒らし、大きな声で「ちぇッ、女はみんな同じだ!」と叫んで、足をひきずりながら帰っていった。
わたしたちの駆け引きを見ていた子どもたちは、男が背を向けた途端に、笑いころげた。