期待と回想 上・下

鶴見俊輔 各二四一五円
「私は不良少年だった……。」戦後日本を代表する哲学者が、七十余年にわたる自らの思索の軌跡を語りあかした。父母との葛藤。ハーヴァード大学での新しい記号論の哲学運動との出会い。「思想の科学」「べ平連」などの活動。桑原武夫、丸山眞男、吉本隆明らとのエピソード。読書、漫画、編集について──。明日に開かれた対話による思索的自伝。

〈シリーズ日常術〉 今江祥智〔童話〕術・物語ができるまで

今江祥智 二四一五円
物語づくり30年。日々子どもの国へとはなしつづける児童文学者が、童話や絵本ができるまでの手の内を大公開。ぼくの部屋と文房具、読書法と文章術、長編の書きかた・短編の書きかた、タイトルの決めかた、ブックトーク、気ばらしの工夫……子どもから大人まで巾広い読者に親しまれる作家の全宇宙。とっておきブックリスト・ミニ童話集付。

子どもの本屋はメリー・メリーゴーランド

増田喜昭 一六八〇円
田んぼの中に、子どもの本専門店「メリーゴーランド」を開いて25年。地域に根ざした本屋を目指し、本と作家たちに楽しく出会える場づくりに力を注ぐ。おもしろい本には「立ち読みしてください」の札。子どもと一緒に本を読み、川をのぼり、落語をきく。子どもと本をのせて、メリーゴーランドはきょうも元気に回りつ

子どもの本屋、全力投球!

増田喜昭  一三二五円 シリーズ〈就職しないで生きるには〉
ここは本屋か図書室か。立ち読み大歓迎。紙芝居や読書会もやる。本嫌いの子はよっといで! どんな子どもだって、面白い本との出会いを待っている。だから本当に読んでもらいたい本を選び売る。やりくりは苦しいけれど負けられない。地域の暖かい仲間に支えられて、四日市の田んぼのまん中で今日もがんばる、小さな本屋の大きな夢。

YA(ヤングアダルト)読書案内

赤木・金原・佐藤・半田編 三一五〇円
この本はヤングアダルト(13歳〜19歳)のための初めての本格的ブックガイドです。学校、友だち、家族、冒険、恋、SEX、コンピュータ、宇宙、死……40のテーマで600冊の本を紹介します。中学一年生が読めるようルビを付け、図書館や書店の利用のしかたもていねいに解説しています。巻末には索引をかねたブックガイド付き。大人も楽しめる読み物です。

おばあさんになるなんて

神沢利子 一六八〇円
くまの子ウーフは、どこから生まれたのか? 自伝『流れのほとり』を書くきっかけは? 創作のエピソードを織りまぜながら、童話作家は、自らの人生の歩みを初めて、ゆったりと話しだした。樺太の少女時代。戦後の貧しい生活。作家としてのスタート──。創作童話(「サクラ色のワンピース」「五つのクジラのストーリー」)も収録。

やっとひとり

小沢瑞穂 一八三五円
娘が巣立ち、初めての一人暮らし。さあ、これからが私の本番! 50歳の誕生日にピアスを入れる。たった一人で家を買う。NYを気ままに散歩する。どんなことでも、自分が一番したいようにする──これが私の流儀。翻訳のコツから遊びの方のルールまで、人気翻訳家がのびやかに綴る大人の女のナチュラルな生き方、軽やかな歳の重ね方。

すべてきみに宛てた手紙

長田弘 一八九〇円
書くことは、二人称をつくりだす試み……「文字をつかって書くことは目の前にいない人を、じぶんにとって無くてはならぬ存在に変えてゆくことです」。どうしても大切にしたいものは何ですか。詩人は言います。それは世界をじっと黙って見つめることができるような言葉だ、と。「きみ」に宛てられた、親しい言葉の贈り物。注目の手紙エッセー。

〈ベスト版 文学のおくりもの〉たんぽぽのお酒

レイ・ブラッドベリ 北山克彦訳 一八九〇円
アメリカはイリノイ州グリーンタウン。輝く夏の陽のなかを、かもしかのように走る少年ダグラス。夏のはじめに仕込んだタンポポのお酒一壜一壜にこめられた、愛と孤独と死と生長の物語。SF文学の名手ブラッドベリが、少年のファンタジーの世界を、閃くイメージの連なりのなかに結晶させた傑作。

〈ベスト版 文学のおくりもの〉ジャズ・カントリー

ナット・ヘントフ 木島始訳  一八九〇円
「だんぜんイカス本。新しいアメリカの良心をまざまざと伝える」(朝日新聞)という声をはじめ、小田実、福田善之、鶴見俊輔、寺山修司、今江祥智氏などが一斉に注目、絶賛して、一躍読書界の話題をさらった本。新たにヘントフ自身のエッセー「ジャズの国に入りこんで」を収めた決定版。

*表記の定価は2002年10月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。