女優家M 演技の花道

森村泰昌 一八九〇円
女優に扮した写真作品(「女優家」シリーズ)で知られる森村泰昌が、演技の世界に飛び込んだ。蜷川幸雄の舞台『パンドラの鐘』と辻仁成監督の映画『フィラメント』で経験したことは、最高に刺激的なものだった。脚本の通し読みで周囲を困惑させた事件、共演者や演出家との交流。抱腹絶倒の裏話と芸術家ならではの観察眼が光る舞台裏エッセイ。

爆心地の芸術

椹木野衣 二九四〇円
日本の「現代美術」が急速に変貌している。「現代美術」をリセットする試みとして行われた企画展「日本ゼロ年」、村上隆の提唱する「スーパーフラット」、奈良美智ブーム、横浜トリエンナーレ、NYの同時多発テロなどの現象を受け、ゲーム、アニメ、格闘技などの世界を横断しつつ展開されるスリリングな美術評論。美術の爆心地とははたして何か?

インテリアと日本人

内田繁 二一〇〇円
畳の部屋はちゃぶ台ひとつでダイニングに、ふとんを敷けば寝室に。障子や襖は気配まで遮断しないやさしい仕切り――いま、日本の伝統的身体・空間感覚がインテリアデザインに生かされ、世界で高く評価されている。わが国を代表するインテリア・デザイナーが、創作の実際に則して〈日本的空間とインテリア〉の特質を解きあかした本。

ポラエヴァシー

荒木経惟写真、飯沢耕太郎編 二四一五円
女に猫に焼肉に枯れた花…。オモチャ箱をひっくりかえしたようなオールカラー666点もの写真はすべて、アラーキーの目が見て指が触れた現実の生きた標本なのだ。限りなく未完成で生々しいポラロイドの特性を存分に発揮し、愛おしい日々の瞬間を真四角なフレームに定着させた初の本格的ポラロイド写真集。街を口説き女を口説くアラーキーの日常。

哲学者クロサキの写真論

黒崎政男 一九九五円
デジタルカメラの出現で、撮った画像データをいかようにも加工できるとすると、決定的瞬間を切り取るという写真本来の意義はどのように変わっていくのか? 技術の進歩に伴い変化する人間の美意識に迫り、まったく新しい写真論を構築する。クラシックカメラからデジカメまで写真の歴史を縦横無尽に駆け抜ける哲学者の勇壮な試み。

全面自供!

赤瀬川原平 聞き手 松田哲夫 二九八二円
赤瀬川原平の語り下ろしの自伝である。三十年にわたる友人の聞き手は松田哲夫。赤瀬川原平のラディカルな面が次々と暴かれていく。存在そのものがオブジェだった「ハイレッド・センター」時代からニセ千円札事件。路上観察での南伸坊や藤森照信らとの付き合い。『老人力』などの最近の活躍。大好きなカメラのこと……。学生時代の作品も含め40点ほどの作品も掲載。赤瀬川原平のすべてがわかります。

20世紀はどのようにデザインされたか

柏木博 一九九五円
20世紀のデザインがどのような理想を掲げ、今どのような問題が残されているのか。20世紀をリードしたアメリカのデザインとは? モダンデザインの先駆・バウハウスとは? 各国のデザインをはじめ、広告、戦争、サブカルチャーなど、20世紀の特徴的現象を掘り下げる。またパリのエッフェル塔など、現像物ごとにも振り返る。20世紀デザインの歴史の決定版。

レニ・リーフェンシュタール ―― 20世紀映像論のために

平井正 二四一五円
第三帝国の美神か。最高の映像作家か。オリンピック記録映画『民族の祭典』でナチスドイツの栄誉をになう映画監督となり、戦後もあくなき映像美の追求を続けるレニ。多彩な資料をもとにその生涯と仕事をだどり、美と時代との関わりに迫る力作評論。「現在のコマーシャルやスポーツのありかたを考えるうえでも示唆的な視点」(日本経済新聞評)

美女とは何か ──日中美人の文化史

張競 二五二〇円
古来、美女は世の憧れを誘う一方で、男の運命を狂わす悪女であり、亡国の元凶であり、女神、幽霊、異人、薄幸、世の移ろいのたとえであった。また、文化によって時代によって、美人観は大きく変化する。美人は文学や絵画のなかでどのように描かれ、いかにイメージが形成され、機能したのだろうか。東アジアにおける美女と美貌に関する比較文化史の決定版。

オードリーとフランソワーズ ――乙女カルチャー入門

山崎まどか 一五七五円
流行に振り回されない女性は、どんな小説を読んで、どんな映画や音楽を楽しんでいるの? おしゃれリーダーは断然キャサリン・ヘプバーンだけど、『パリの恋人』のオードリー・ヘプバーンも大好き。幸田文、野溝七生子、サガン、ゼルダ・フィッツジェラルド、ゴダール、ナラ・レオン……定番アイテムが勢揃い。ロマンティックな文化百貨店へようこそ! 

*表記の定価は2002年9月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。