文庫本を狙え!

坪内祐三 一九九五円
『週刊文春』で好評連載中のコラム「文庫本を狙え!」が、ついに一冊になってお目見えする。文庫本の山の中、文庫本という雑踏の中を散歩するように、著者は毎週一冊の文庫を狙って歩いている。いまも。武田百合子、村上春樹、団鬼六、ベンヤミン、勝新太郎、ミラン・クンデラ、竹中労、江藤淳、殿山泰司、中道義道、小林信彦……154の文庫本が乱舞する。手にすると、もう眠ることは出来ない。

古くさいぞ私は

坪内祐三 二七三〇円
気鋭な評論家は、読書する日々である。趣味ではない。研究とも縁遠い。そんな生活を続けていると、書物の持っているアウラを感じ取り、本の魅力について話し合える人を嗅ぎわける嗅覚も身についてくるのだ。そこから発せられた読書と本に刊するエッセイ・書評と魅力あふれた楽しい一冊である。もちろん神保町との付き合い方もある。

ストリートワイズ

坪内祐三  二四一五円
街をひとつの大きな学習の場として、さ迷い歩いて行く。時に自分を見失いそうになりながら、身につけた知恵や知識。それが、ストリートワイズだ。福田恆存との出会い。丸山眞男の死で思ったこと。同世代の原辰徳の引退。大好きだった力道山のこと。それに真夏の読書……。街を歩き、そこで発見した新しい学問がここにある。

古本屋 月の輪書林

高橋徹  一九九五円
消えた人、消された人、忘れさられた人。本が人であるなら、古い本から一人でも魅力ある人物を見つけ出し再評価したい。月の輪書林の古書目録「美的浮浪者・竹中労」には一万冊を超える古本が並び、世の本好きをうならせた。古本市場での手に汗にぎる対決、目録作りの醍醐味、どうしたら古本屋になれるのか……。本が乱舞し人が踊りだす奮闘記。

植草甚一の読書誌

植草甚一 解説・大岡玲  一五二九円
いまも部屋のなかを見まわしながらこんどは誰のを読もうかなと考えていると、気持ちが浮き浮きしてくる──待ってました! 極め付き植草流読書術のエッセンス。「鬼平犯科帳」からシムノンまで、江戸川乱歩からカルヴィーノまで、元祖活字中毒者の決定版「本とつきあう法」。

ごはんつぶがついてます

南伸坊  一八九〇円
イラストライター・装丁家の著者の特選エッセイ集!「美学校」のころ。「ガロ」編集者時代。ツマにあてる手紙。深沢七郎さんに会いにいった日。私の葬式。無人島に持っていく本。格言の勉強。長井勝一さんのこと……。日々の暮らしをクスッと笑ったり、しんみりと思い出したり、シンボー・ワンダーランドの心温まる日々に御招待します。

読書でござる

白石公子  一八九〇円
十代のときに読みそこねた太宰治。五重人格者を描いた『五重目のサリー』に自分を重ねる。一人で暮すメイ・サートンに共鳴する。詩人・エッセイストがつづる読書の日々。藤沢周平、群ようこ、E・M・フォースターが話しかけてくる。電車のなかで、枕を背にし、恋の小説からミステリーまで、自在に読み自由に楽しむ、女性のための読書案内。

読書休日

森まゆみ 一九九五円
本を開く、それが私の自由時間……。読む、書く、雑誌をつくる、と活字を愛してやまない著者が綴る、書物をめぐる豊かな世界。幼い心を揺さぶられた『フランダースの犬』、『ゲーテ恋愛誌集』、そして幸田文『台所のおと』……地域・メディア・文学・ライフスタイルなど多彩なジャングルの愛読書のなかから、とりわけすぐれた百冊余をおすすめする。

期待と回想 上・下

鶴見俊輔 各二四一五円
「私は不良少年だった……。」戦後日本を代表する哲学者が、七十余年にわたる自らの思索の軌跡を語りあかした。父母との葛藤。ハーヴァード大学での新しい記号論の哲学運動との出会い。「思想の科学」「べ平連」などの活動。桑原武夫、丸山眞男、吉本隆明らとのエピソード。読書、漫画、編集について──。明日に開かれた対話による思索的自伝。

一人が三人──吾輩は目黒考二・藤代三郎・北上次郎である

目黒考二 一八九〇円
雑誌『本の雑誌』発行人は三つの顔を持っている。目黒考ニに北上次郎、そして藤代三郎。この“三人”が一冊になったのだ。目黒篇では、亡き父の横顔や姪の結婚話など心温まる物語が綴られる。藤代篇は、大井競馬場を皮切りに宮島競艇塲、さらにはロンドン競馬場訪問記が並んでいる。そして、おなじみ北上篇。90年代後半のお勧めミステリーの紹介だ。目黒ワンダーランドにようこそ!


*表記の定価は2002年7月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。