料理人や用心棒、レスラー、記者などの職を転々とし、多くの逸話や伝説を残している作家J・カーシュ。ミステリ・SF・幻想小説など、幅広いジャンルにまたがるその夥しい作品群もまた、奔放な想像力と、「悪魔的」とも称されるストーリーテリングの魅力に満ちている。
 無人島で発見された三体の奇怪な白骨に秘められた、哀しくも恐ろしい愛の物語――北村薫、宮部みゆき氏絶賛の傑作『豚の島の女王』、アンブローズ・ビアスの失踪という米文学史上最大のミステリを題材に、不気味なファンタジーを創造し、アメリカ探偵作家クラブ賞を受賞した名作『壜の中の手記』他、一読、思わず「そんなバカな!」と叫びたくなる、異色作家カーシュの途方もない奇想とねじれたユーモアにあふれた傑作短篇集。

〈晶文社ミステリ〉刊行開始!

ポー「モルグ街の殺人」以来一六〇年の歴史を有するミステリ王国の広大な版図には、いまだ手つかずの空白が数多く残されている。黄金時代探偵小説の革新者としてあらためて注目を集めているアントニイ・バークリー作品をはじめ、本格ミステリから罪小説、異色短篇、ユーモア・ミステリまで、さまざまなジャンルの傑作を紹介、ミステリの新たな地平を切り拓くシリーズ。

●近刊予定
 『ウィッチフォード毒殺事件』
 アントニイ・バークリー 9月