爆心地の芸術

椹木野衣 二九四〇円
日本の「現代美術」が急速に変貌している。「現代美術」をリセットする試みの「日本ゼロ年」展、村上隆の「スーパーフラット」、奈良美智ブーム、横浜トリエンナーレ、NYでのテロなどの現象を受け、ゲーム、アニメ、格闘技などを横断しつつ展開される美術評論。

世の途中から隠されていること

木下直之 三九九〇円
日清戦争のとき広島に建てられた凱旋碑は、そのまま平和塔となっている。女装姿のヤマトタケルのイメージは、実は明治につくられたものだ。私たちが当たり前のことだと思っていることの起源は案外新しい。記念碑、肖像写真、見世物など、歴史に埋もれた物を掘り起こし、日本人の美意識の変遷をたどる。美術からみたもう一つの明治の歴史。

全面自供!

赤瀬川原平 聞き手 松田哲夫 二九八二円
赤瀬川原平の語り下ろしの自伝である。三十年にわたる友人の聞き手は松田哲夫。赤瀬川原平のラディカルな面が次々と暴かれていく。存在そのものがオブジェだった「ハイレッド・センター」時代からニセ千円札事件。路上観察での南伸坊や藤森照信らとの付き合い。『老人力』などの最近の活躍。大好きなカメラのこと……。学生時代の作品も含め40点ほどの作品も掲載。赤瀬川原平のすべてがわかります。

ポラエヴァシー

荒木経惟写真、飯沢耕太郎編 二四一五円
女に猫に焼肉に枯れた花…。オモチャ箱をひっくりかえしたようなオールカラー666点もの写真はすべて、アラーキーの目が見て指が触れた現実の生きた標本なのだ。限りなく未完成で生々しいポラロイドの特性を存分に発揮し、愛おしい日々の瞬間を真四角なフレームに定着させた初の本格的ポラロイド写真集。街を口説き女を口説くアラーキーの日常。

哲学者クロサキの写真論

黒崎政男 一九九五円
デジタルカメラの出現で、撮った画像データをいかようにも加工できるとすると、決定的瞬間を切り取るという写真本来の意義はどのように変わっていくのか? 技術の進歩に伴い変化する人間の美意識に迫り、まったく新しい写真論を構築する。クラシックカメラからデジカメまで写真の歴史を縦横無尽に駆け抜ける哲学者の勇壮な試み。

定本 映画術

A・ヒッチコック、F・トリュフォー 蓮實重彦、山田宏一訳  四二〇〇円
これが映画だ! 映画の巨匠が華麗なテクニックを大公開。サイレント時代の処女作から最後の作品まで、520枚の写真を駆使して語りつくす。「まず読み物として興味津々」「技術面だけにととまらず、技術と主題、形式と内容とが不可分のものであることを、じつに説得的に語っているところに本書の真の価値がある」(朝日新聞評)

映画辛口案内 ──私の批評に手加減はない

ポーリン・ケイル 浅倉久志訳 三八七三円
いい映画なら、ノドを鳴らして味わいつくす。つまらなければ、歯に衣きせず斬りまくる。俳優の演技はもとより、映像技術の細部を吟味し、作品の出来を論評。その博識と独特の辛口批評で知られる「ニューヨーカー」の女性評論家が、冒険活劇からSF、コメデイ、文芸大作まで、88本の映画を相手どって展開する、愛情あふれる徹底ガイド!

素晴らしきかな映画

野口久光 五四六〇円
モンロー、ボガート、アステア、ギッシュ、ヒッチコック──サイレント時代からハリウッド黄金期まで、それぞれの時代に、銀幕を彩った数かずの大スター、名監督たちがいた。34人の映画人の足跡を豊富なエピソードでたどる、著者初の単行本。写真多数、巻末に完全版フィルモグラフィーを収録。この一冊で、映画は百倍たのしくなる!

未来映画術『2001年宇宙の旅』

ピアース・ビゾニー 浜野保樹、門馬淳子訳  四九三五円
スタンリー・キューブリック監督『2001年宇宙の旅』の製作過程は多くの謎に包まれていた。著者は当時の一次資料を発掘し、その製作過程を解きあかすことに成功した。貴重な多数の図版に加え、シノプシス全文、当時のレビュー記事を収録した本書は、すべてのファンが待ち望んだ、メイキング・オブ・『2001年宇宙の旅』の決定版だ。

レニ・リーフェンシュタール ―― 20世紀映像論のために

平井正 二四一五円
第三帝国の美神か。最高の映像作家か。オリンピック記録映画『民族の祭典』でナチスドイツの栄誉をになう映画監督となり、戦後もあくなき映像美の追求を続けるレニ。多彩な資料をもとにその生涯と仕事をだどり、美と時代との関わりに迫る力作評論。「現在のコマーシャルやスポーツのありかたを考えるうえでも示唆的な視点」(日本経済新聞評)

*表記の定価は2002年6月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。