製陶王国をきずいた父と子 ──大倉孫兵衛と大倉和親

砂川幸雄 一八九〇円
日本経済の地盤沈下がいわれるなか、注目を浴びている経営者がいる。衛生陶器のTOTO。タイルのINAX。碍子の日本ガイシ。プラグの日本特殊陶業。洋食器のノリタケ。高級磁器の大倉陶園。……これらの企業を創立し、世界のトップブランドに育てあげた、大倉孫兵衛とその長男大倉和親である。明治・大正・昭和の三代を生きた、実業家父子の気骨ある生涯を描く出色の評伝。

運鈍根の男 ──古河市兵衛の生涯

砂川幸雄 一九九五円
人間の一生は第一が運。その次が鈍。愚鈍なほどに一途に、ということです。それから根。根気強くなければならない。──これが「鉱山王」と呼ばれた明治の実業家古河市兵衛のモットーであった。この男の生き方が平成の大不況のさなか、あらためて見直されている。無一文からはじめて古河財閥の基礎をきずいた男の生涯をつづる、はじめての評伝。

建築家吉田五十八

砂川幸雄 二九四〇円
若い建築家たちがこぞって近代建築に向かって走りだした昭和初期、吉田五十八はただひとり日本建築の革新を志した。以後、一貫して西洋の合理性と日本的美意識の調和を探究、実践する。吉屋信子邸、料亭新喜楽、大和文華館、大阪ロイヤルホテル、歌舞伎座など、数々の仕事を紹介しつつ、「現代数奇屋」の創始者の七十九年の生涯を描いた、はじめての評伝。

人生は博覧会 日本ランカイ屋列伝

橋爪紳也 二一〇〇円
明治時代にはじまり戦後も続いた博覧会ブーム。その博覧会はたくさん民間ディベロッパーに支えられて、彼らは知恵と技を競って様々な催しを成功させた。日本で初めてアクロバット飛行の興行をした櫛引弓人。巨大な大仏の見せ物を出品した高村光雲。金沢に「宝塚」を創ろうとした平沢嘉太郎。大きな夢を抱きながら近代を生きたランカイ屋たちの人生の物語。

84歳の現役サラリーマン

天野秀二 一九九五円
84歳の天野さんは、新宿高野で働く、サラリーマン。リストラの嵐の中、いまも現役、なぜ? 給料がさがっても、銀行から高野に転職した動機は? 高度経済成長期、輸入果物を、日本でひろめる方法とは? 新宿紀伊國屋田辺茂一さんと行ってきた文化活動とは? サラリーマン歴60年。新宿と果物を軸につづる半生記、ビジネスマンに贈る指南書。

21世紀企画書 ──日本型インターネットの可能性

橘川幸夫 一五七五円
インターネット人口の爆発的な増加は「オフのない=つながりっぱなしの世界」と、ライフスタイルの劇的な変化を現代人にもたらした。「クオリティからリアリティへ」「公私混同」「ホルモン系メディア」など様々なコンセプトをひきつつ、日本型インターネットの可能性を探る画期的なマーケティング論。21世紀に向けたビジネスのヒントが満載。

文化としてのIT革命

山崎正和・西垣通 編 二二〇五円
パソコンや携帯電話などデジタル機器の著しい進歩よりIT革命が進んでいる。IT革命とはどんな革命なのか。何が生まれ、人間の感性や価値観はどう変わっていくのか。コミュニケーション、芸術、著作権、軍事、宗教、国際交流、ネットワーク犯罪……。さまざまな視点でIT革命を具体的に考え、デジタル社会の未来を模索した、刺激にあふれた一冊。

いまの生活「電子社会誕生」

赤木、紀田、浜野、名和 監修 四五一五円
コンピュータは日本人の生活をどう変えたか。ワープロ、テレビゲーム、マルチメディア、インターネット……どれも20年前、いや10年前でさえ、私たちのくらしには無縁の言葉だった。しかし、今はちがう。日本の社会を根底から変えようとしている。これらのメディアは、いつどのように生まれたかを多彩な原資料で明かす現代日本人の生活史。

独学のすすめ

谷川健一  二三四五円
南方熊楠。柳田国男。折口信夫。吉田東伍。中村十作。笹森儀助。明治から昭和にかけて、既成の知識に縛られず、誇りをもって自分の道を切りひらいた巨人たちの生きかたを、民族学の第一人者が語る。「暖かで芯の強い語り口には、読者への強い信頼が感じられる」(日刊ゲンダイ)「混迷の時代に、静かな勇気を与えてくれる一冊」(静岡新聞)

「歩く学問」の達人

中川六平 一九九五円
鶴見良行、山折哲雄、長井勝一、小沢昭一、森まゆみ、野田知佑……。既成の、机上の学問を追究するのではなく、独自の方法で、自らの民間学を築いた人たち。お仕着せを嫌い、誇りを持って行動し、新しい学問を着実に獲得してきた15人にスポットをあて、強烈な個性、きらめく才能の源泉をさぐり、明かした、今の時代に一石を投じる一冊。

*表記の定価は2002年5月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。