鶴見俊輔座談 全10巻

鶴見俊輔 各3873円
思想は対話に始まる。会って話した五十年、二百人。つきることない好奇心と幅ひろい生きた知識に発する卓抜な批評。異説を拒まない懐ふかい柔軟な思考。哲学者鶴見俊輔の対話はユーモアと緊張をまじえ、豊かな話題を自在に行き来する。これは人物事典、哲学事典であり、心の手引きである。二十一世紀を生きる思想の種子がここにある。

期待と回想 上・下

鶴見俊輔 各二四一五円
「私は不良少年だった……。」戦後日本を代表する哲学者が、七十余年にわたる自らの思索の軌跡を語りあかした。父母との葛藤。ハーヴァード大学での新しい記号論の哲学運動との出会い。「思想の科学」「べ平連」などの活動。桑原武夫、丸山眞男、吉本隆明らとのエピソード。読書、漫画、編集について──。明日に開かれた対話による思索的自伝。

隣人記

鶴見俊輔 二四一五円
人生を振り返ってみると、そこには多くの隣人たちがいる。小学校の同級生。アメリカで出会った哲学者。家族の人たち。そして時代を共に歩いた同伴者や先を歩いている人々。人々だけではない。書物もあり食べ物もありテレビも隣人。老いが深まるにつれ隣人はゆったりと姿を現わしてくるのだ。淡々とした年の重ね方の中ではぐくまれた死生観が聞こえてくる。

みんなで考えよう(全3巻)

鶴見俊輔と中学生たち 一四七〇円
哲学者の鶴見俊輔さんと中学生13人が、小さな寺子屋を作りました。そこで、身近な問題をワイワイガヤガヤと話し合います。楽しいイラストが満載です。シリーズ1は「大切にしたいものは何?」で絵は南伸坊さん、同2は「きまりっ何?」で絵は佐々木マキさん、同3は「大人になるって何?」で絵は長新太さん。

旅の話

鶴見俊輔、長田弘  二八五四円
二千年前のアレクサンドリア、シルクロードから、20世紀の強制収容所、ディズニーランドまで。旅の楽しみ、本のよろこびをめぐって無双の読み手・話し手たる哲学者と詩人が、まっすぐに闊達に語りあう。はからずも世紀の転回点にかさなった五年におよぶ対話から、人間の歴史の大きなうねりが浮かびあがる。奥行き深い旅の文明論。

全面自供!

赤瀬川原平  聞き手 松田哲夫 二九八二円
赤瀬川原平の語り下ろしの自伝である。三十年にわたる友人の聞き手は松田哲夫。赤瀬川原平のラディカルな面が次々と暴かれていく。存在そのものがオブジェだった「ハイレッド・センター」時代からニセ千円札事件。路上観察での南伸坊や藤森照信らとの付き合い。『老人力』などの最近の活躍。大好きなカメラのこと……。学生時代の作品も含め40点ほどの作品も掲載。赤瀬川原平のすべてがわかります。

おばあさんになるなんて

神沢利子 一六八〇円
くまの子ウーフは、どこから生まれたのか? 自伝『流れのほとり』を書くきっかけは? 創作のエピソードを織りまぜながら、童話作家は、自らの人生の歩みを初めて、ゆったりと話しだした。樺太の少女時代。戦後の貧しい生活。作家としてのスタート──。創作童話(「サクラ色のワンピース」「五つのクジラのストーリー」)も収録。

森の人 四手井綱英の九十年

森まゆみ 一九九五円
九十歳を迎える四手井さんは、里山の発見者である。戦前は林野庁の技官として日本の山に入り、戦後は京大の教授として世界中の森を見てきた。森がどのように成り立ち、自然界のなかでどのように役立っているのか。これからどのように森を守ったらいいのか。聞き書きの名手・森さんが、四手井さんの人生に沿いながら、その学問と考え方について聞く。

日日談笑──小沢昭一的人生

小沢昭一  二二〇五円
七十歳を迎え、のんびりと一日一日をすごしたいなあ。小沢昭一で、今日この頃の気分である。そんな小沢さんが、自分の好きなこと、楽しいことを語り合ったトークが一冊になった。話相手は、柳家小三治(旅と味と人)、金子兜太(俳句と時代)、網野善彦(大道芸)、杉浦日向子(子供の頃の遊び)、佐野洋子(猫が好き)……総勢二十五人を相手に、小沢節が心地よく流れ、笑を誘う。

ウィリアム・モリス伝

ヘンダースン 川端・志田・永江訳  七八〇〇円
比類なき装飾芸術家にして詩人、そして社会運動家。19世紀イギリスの巨人、モリスの思想と活動の全貌を初めて提示した本格的伝記。図版多数。「彼の生活や仕事を細かく検討しつつ全体像を浮き彫りにする力量は卓越しており、伝記を尊重するイギリスならではの伝統が本書に結晶しているように思われる」(毎日新聞評)。

*表記の定価は2002年5月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。