1988

 [1月]逃げる男のサバイバル 22 『シベリアの孤狼』『砂漠のサバイバルゲーム』
 [2月]レズビアン探偵の登場 24 『サマータイム・ブルース』 『彼女は遅すぎた』
 [3月]競馬ミステリーよ、出てこい 26 『連闘』 『盗聴者』
 [4月]気むずかしい余計者 28 『刑事の誇り』 『灯蛾の落ちる時』
 [5月]スティーヴン・キングの影 30 『砕けちった月』『カーリーの歌』
 [6月]アメリカ大統領の仕組み 32 『大統領ゲーム』『躍らされた男たち』
 [7月]医学小説はこわい 34 『緊急の場合は』『触手』
 [8月]老人小説を読む 36 『死にぎわの台詞』『黄昏に燃えて』 『夢果つる街』
 [9月]ナチスもののパターン 38 『聖槍』 『リラ作戦の夜』
 [10月]待てばカイルの日和あり 40 『躍らされた男たち』 『ターミナル計画を潰せ』 『顔のない亡命者』
 [11月]ジョン・トレンヘルという作家 42 『消えたAWACS機』
 『マージャン・スパイ』
 「12月」藤田まことの必殺シリーズである! 44 『赤毛のストレーガ』『フレッド』

 1989

 [1月]本のミステリー 48 『盗まれたスタインベック』 『男らしい別れ』
 [2月]競馬ミステリーの競争 50 『黄金』 『三冠馬』 『本命馬』
 『スプリンターを狙え』
 [3月]ベトナム戦争の後遺症 52 『ビッグ・ゲーム』『誓約』
 [4月]復讐小説のパターン 54 『死の長い鎖』『シップ・キラー』『一弾で倒せ』
 [5月]イギリスの伝統芸能 56 『黒い海流』 『地獄の輸送船団』
 [6月]ピカレスク小説とは 58 『暗殺者を愛した女』
 [7月]サイパーパンクによる冒険SF 60 『ハードワイヤード』
 [8月]さまざまな親子 62 『ミッドナイトラン』 『マイアミ・ポリス』
 [9月]生みの親より育ての親 64 『神の標的』 『プレトリア救出戦』
 『季節の終り』
 [10月]地下鉄の少年 66 『闇の絆』 『地下鉄少年スレイク』
 [11月]勢いがとまらないモダンホラー 68 『ゴースト・トレイン』 『ウィスパー』
 [12月]ホラー・ブームは気にいらないが 70 『エイミー』
 [番外]ボブ・ラングレーという作家 72 『砂漠のテロリスト』 『エベレストの彼方』

 1990

 [1月]ラスト近くで私は泣いた 76 『アビス』 『スフィア』 『星々の揺籃』
 [2月]罪な本 78 『黒い炎と踊れ』 『流れついた街』
 [3月]女性の物語にはドラマがある 80 『チャイナ・ドーン』
 『ロシアン・メッセージ』
 [4月]米国の石川達三を読む 82 『判事スペンサー異議あり』
 [5月]女性スパイたちの活躍 84 『女性情報部員ダビナ』 『恐怖の国境線』
 [6月]サスペンスに満ちた海洋冒険小説 86 『湖底トンネル爆破!』『殺意の海へ』
 [7月]ジョン・ル・カレのこと 88 『ロシア・ハウス』 『ドラゴンファイヤー作戦』
 [8月]K・ミルホーンと久々のご対面 90 『逃亡者のF』 『皮剥ぎ人』
 「9月」古い革袋に新しい酒を 92 『ゼロ・プラス・ワン』 『知性化戦争』
 [10月]要人暗殺ち不倫の恋 94  『スターリン暗殺の七日間』 『サッチャー暗殺』
 『ターゲットは大統領』
 [11月]官能の嵐が吹き荒れる三作 96  『ランダム・ハート』
 『ブロードウェイの彼方』
 『ぼくの美しい人だから』
 [12月]パリ風俗犯罪ファイル 98 『調教師』 『狂宴』 『冷凍少女』

 1991

 [1月]今月は悪女小説である 102 『無風地帯』 『口づけをもう一度』
 [2月]もっと出てこいウエスタン 104 『狙撃の理由』 『手負いの狩人』
 [3月]軽口を叩かない男 106 『消された眠り』 『過去を失くした女』
 [4月]後味がいいのが、もちろん一番 108  『殺意のバックラッシュ』
 『悪魔が目をとじるまで』
 『地獄の季節』
 [5月]自警団ヒーローの老後 110 『スターダスト』 『殺す男』
 [6月]大ロマン小説が好き 112 『ドクターズ』 『危険な愛のかおり』
 [7月]医学ミステリー三冊 114 『遺伝子操作』 『ハームフル・イン奠都』
 『インフォームド・コンセント』
 [8月]今月はセンチメンタルな気分 116  『ハッカー連続殺人』 『激走』
 『哀しき追跡者』
 [9月]凄絶な復讐小説 118 『去りゆく者の裁き』 『警部サマービルの戦争』
 [10月]クーンツの成熟 120  『アッシャー家の弔鐘』 『パーチェス通り19番地』
 『ストレンジャーズ』
 [11月]哀しい男の友情物語 122 『無法の二人』 『木曜日の子供』
 [12月]ハイスミス中毒 124 『妻を殺したかった男』 『ふくろうの叫び』
  『水の墓標名』

 1992

 [1月]十八時間の至福 128 『IT』  
 [2月]90年代ハードボイルドの条件 130 『いまだ生者のなかで』 『墓場への切符』
 [3月]早く読みたい二つのシリーズ 132 『検屍官』
 『フィッツジェラルドをめざした男』
 [4月]主人公は、やはり初老男がいい 134 『扉の向こう側』 『ナイフでえぐれ』
 [5月]ヘンな話とねじれた小説 136 『ミランダ殺し』 『孤独な街角』
 [6月]興奮する読書 138 『マイン』
 [7月]恋愛小説のパターン 140 『5000粒のダイヤを恋人に』 『嵐の中で輝いて』
 [8月]ハモンド・イネス新作に唸る理由 142 『特命艦メデューサ』 『』
 [9月]やせ我慢はヒロインにも似合う 144 『証拠死体』 『コンバット・ゾーンの娘』
 [10月]ハイスミスとシェルビー 146 『イーディスの日記』 『天使の復讐』
 [11月]ラスト三行で私は泣いた 148 『嘘、そして嘘』
 [12月]また一人、ヒロイン・ハードボイルドが登場 150 『追憶のファイル』
    『カーディアン・エンジェル』

 1993

 [1月]二つの警察小説 154 『欲望の街』 『ナイトホークス』
 [2月]ダーク・ピットの場合 156 『死のサハラを脱出せよ』 『上空からの脅迫』
 [3月]小説のアイディアについて 158 『飛行船クリッパーの客』 『音の手がかり』
 [4月]『ワイルド・スワン』だ! 160 『ワイルド・スワン』
 [5月]主人公の造形 162 『誘惑者』 『約束の土地』
 [6月]究極の孤独 164 『砕けたハート』 『獅子の涙』
 [7月]私立探偵の時給 166 『シルヴァー・リングを残した女』 『無実のI』
 [8月]切ない恋の物語 168 『汝姦淫するなかれ』 『ロシアの恋人』
 『マディソン郡の橋』
 [9月]プラトニック・ラブは終わったか 170 『水の戒律』
 [10月]海洋冒険小説は元気か 172 『迷惑な遺言』 『海狼の巣』
 [11月]全国の嘘つき諸君におすすめ 174 『硝子の塔』 『ダーティ・トリック』
 [12月]「男」の基準 176 『豹の呼ぶ声』 『詐欺同盟』

 1994

 [1月]読み落としていた本 180 『飢餓大陸』
 [2月]前代未聞のヒロイン 182 『汚れた守護天使』 『デッドライン』
 [3月]ロマンス小説のテーマ 184 『 色の復讐』 『薔薇の誘惑』
 [4月]弟に寄せる兄の愛 186 『兄の殺人者』 『晩餐の誓い』
 [5月]腐っても鯛 188 『冬山の追撃』 『嵐の眼』
 [6月]もっともっとヘンな小説が読みたい 190 『魔界伝説』 『みどりの刺青』
 [7月]ハリウッド・エンターテイメントのよさ 192 『快楽の館』 『スターズ』
 [8月]聞き上手の男 194 『復讐の赤』 『血の痕跡』
 [9月]父親の哀しみ 196 『重要証人』 『癒されぬ傷』
 [10月]中年の苦渋 198 『クラス』
 [11月]正しすぎる男 200 『影たちの叫び』
 [12月]フロストを弁護する 202 『ワーカホリックなダメ警官の物語』

 1995

 [1月]孤軍奮闘する女探偵 206 『バースデイ・ブルー』
 [2月]パーカーとコーンウェル 208 『歩く影』 『死体農場』
 [3月]シモンズの小説はページの角が折れない 210 『愛死』
 『サマー・オブ・ナイト』
 [4月]母と娘の物語 212 『天国の豚』
 [5月]有望新人の登場 214 『争奪』
 [6月]隠れたメッセージ 216 『第一夫人同盟』
 [7月]無償の愛 218 『埋葬された涙』
 [8月]波瀾万丈の恋愛小説が好き 220 『愛はためらい』
 [9月]女性記者の活躍譚 222 『危険な匂い』 『マイアミ・トラップ』
 [10月]フランス・ミステリーの変化 224 『記憶のための殺人』
 『死者は誰も忘れない』『パパはビリー・ズ・キックを捕まえられない』
 [11月]トマス・ペリーの不思議な話 226 『アイランド』
 [12月]マイケル・コナリーはいい! 228 『ブラック・ハート』

 1996

 [1月]臨場感みなぎる一冊 232 『アフリカの牙』 
 [2月]最近の冒険小説に対する不満 234 『無法地帯』 『サバンナの奥』
 [3月]「ヘンな小説」の定義 236 『ストリップ・ティーズ』
 [4月]少年たちの鼓動 238 『豚の死なない日』『この世を離れて』
 [5月]スリリングだった理由 240 『過ぎゆく夏の別れ』
 [6月]レナードの小説 242 『ゲット・ショーティ』
 [7月]今月はまったくすまない 244 『陪審員』
 [8月]女性読者に元気の出てくる作品二つ 246 『マイアミ・ピュリティ』
 『ブルースを、ワイルドに』
 [9月]シリーズものの愉しさ 248 『無法のL』 『キャット・ウォーク』
 [10月]海洋冒険小説の持つ潮の匂い 250 『見果てぬ緑の地』
 [11月]今月おすすめの二冊 252 『罪深き誘惑のマンボ』 『奇跡の河』
 [12月]D・フランシスがいまだ愛される理由 254 『図書館警察』
 『ホース・ウィスパラー』

 1997

 [1月]長い冬の時代 258 『最果ての征服者』 『千尋の闇』
 [2月]フィールディングの隠しテーマ 260 『泣くのは、あとにして』
 [3月]奥深い物語 262 『鷹の羽音』 『餌』
 [4月]男が女になるとはどういうことか 264 『僕は、パリに恋をする』
 『彼が彼女になったわけ』
 [5月]私の持論 266 『ダーティホワイトボーイズ』 『エヴァン・スコットの戦争』
 [6月]盛り沢山の小説 268 『最後の600万秒』
 [7月]クライトンだからこそ、一言を 270 『エアフレーム―機体―』
 [8月]ディーヴァーの衝撃 272 『静寂の叫び』
 [9月]お前はアメリカの西澤保彦か 274 『私を殺したのは誰?』
 [10月]グリムウッドのイルカ小説 276 『さまよえる美女霊』 『ディープ・ブルー』
 [11月]三部作の最終篇を読む 278 『私は二度死ぬ』 『エレクトリック・ミスト』
 [12月]冒険小説だ! 280 『死の渦』 『雪の狼』

 1998

 [1月]J・バーデットには要注意 284 『砕けちる鏡』
 [2月]タイム・トラベルものが好き 286 『グリンプス』 『ワイルドサイド』
 [3月]全国の読書会幹事諸氏に告ぐ 288 『浮遊死体』 『天使の爪』
 [4月]「読者の好意」 290 『ニュース・キャスター』『監禁』
 [5月]二人の作家の間にある壁 292 『渇き』 『ラム・パンチ』
 [6月]フランシスは偉大だった 294 『強襲』 『冬の裁き』
 [7月]現代エンターテイメントの光と影 296 『暗黒の河』 『暴露』
 [8月]寂しいクーンツ 298 『ミスター・マーダー』 『スロー・リバー』
 [9月]『ビッグ・ピクチャー』がいいぞ 300 『ビッグ・ピクチャー』
 [10月]古代ローマのハードボイルド 302 『白銀の誓い』
 [11月]アーサー・ヘイリーに読ませたくなった小説 304 『殺人課刑事』
  『ナイト・ドッグス』
 [12月]ディテールが作りだす物語の豊かさ 306 『真夜中の犬』 『俺たちの日』

 1999

 [1月]私の宝もの 310 『奇跡の少年』
 [2月]スペンサー物語の問題 312 『突然の災禍』 『よそ者たちの荒野』
 [3月]ゴダードにため息 314 『サントーサ家の秘宝』 『惜別の賦』
 [4月]主人公の性格と物語の関係 316 『スキナーの追跡』 『誤審』
 [5月]古代ローマのハードボイルド第ニ弾! 318 『モスクワ、2015年』
 『密偵ファルコ 青銅の翳り』
 [6月]読書の醍醐味 320 『裁かれる検察官』 『マンハッタン夜想曲』『密送航路』
 [7月]力を失った冒険物語への一つのヒント 322 『双生の荒鷲』 『氷の帝国』
 [8月]妙に気になる小説 324 『黒いスズメバチ』 『魔笛』
 [9月]六十年という歳月の意味 326 『不変の神の事件』 『骨のささやき』
 [10月]コーベンがいればいい 328 『出走』 『ロンリー・ファイター』
 [11月]ウォーの新作 330 『この町の誰かが』 『密偵ファイル錆色の女神』
 [12月]今月の宿題 332 『歓喜の島』 『温かな夜』

 2000

 [1月]全体などどうでもいい 336 『23段階の闇』 『グラブ街の殺人』
 [2月]このところ、気になること 338 『七百万ドルの災難』 『教師キャロルの記憶』
 [3月]F・マーゴリンの新作に今月は一票 340 『デッド・アイズ』
  『葬儀屋の未亡人』
 [4月]死者の目で描かれた物語 342 『死よ光よ』 『冷酷』
 [5月]ソウヤーに拍手 344 『好敵手』 『フレームシフト』
 [6月]レクター博士への異和感 346 『ハンニバル』『闇よ、我が手を取りたまえ』
 [7月]テスよ、頑張れ 348 『闇に横たわれ』 『ボルチモア・ブルース』
 [8月]ベストセラーの条件 350 『死の序列』 『タイムライン』
 [9月]冒険小説が変化した理由 352 『アメリカの刺客』 『鋼鉄の軍神』
 [10月]殺人鬼に涙を流す男 354 『凍る夏』 『水の棺の少年』
 [11月]「新境地」なんかいらない 356 『セカンド・エンジェル』 『臨界テロ』
 [12月]不思議な作家の不思議な小説 358 『アンダードッグス』
  『マザーレス・ブルックリン』

 2001

 [1月]お気に入りシリーズがどんどん増えてくる 362 『奪回者』
 『スタンド・アローン』
 [2月]複雑な気持 364 『守護者(キーパー)』 『父に捧げる歌』
 [3月]今月は昔の名前で出ています 366 『真夜中への鍵』 『ハガーマガーを守れ』
 [4月]シリーズは第一作から読みたい 368 『沈黙の日記』 『秘宝』
 [5月]例によって宿題だ 370 『鼠たちの戦争』 『憎悪の果実』
 [6月]ユーモア・ミステリーについて 372 『マフィアに恋して』
 『庭に孔雀、裏には死体』
 [7月]ねじれた小説が好き 374 『蝶のめざめ』 『デッドリミット』
 [8月]暑いときには厚い本は似合わない 376 『スパイにされたスパイ』
 『夜のフロスト』
 [9月]吸血鬼小説の佳作 378 『オルガスマシン』 『ライヴ・ガールズ』
 [10月]すまん、マロリー 380 『ナヴァロンの風雲』『オウン・ゴール』
 [11月]どっちの夫婦がいいか 382 『凍りつく心臓』 『24時間』
 [12月]胸にちくんと痛くなってくる少年の物語 384 『9ミリの挽歌』
  『パラダイス・サルヴェージ』