マンゴー通り、ときどきさよなら |
サンドラ・シスネロス くぼたのぞみ訳 一八九〇円 |
わたしの名はエスペランサ。スペイン語で「希望」のこと。マンゴー通りのボロッちい赤い家にすんでる……。この街で成功を夢見て、愛を求めて、人生につまずいて、今日も泣き、笑い、生きる人びとの物語を、多感な少女の眼であざやかに映し出す。いまアメリカでもっとも輝いている女性作家シスネロスの衝撃の第一短篇集。 |
写真集 アフガニスタン |
クリス・スティール=パーキンス 二一〇〇円 |
マグナムの名カメラマンが、日々存在する戦争のなかで人びとが生きている現実を写しとった傑作写真集。結婚式、市場、祭り、賭事に興じる男たち。タリバン、北部同盟の兵士たち。羊飼いの少年、ブルカ姿の女たち。廃虚で遊ぶ子供。アフガニスタン最高の詩人マジルーによる物語詩が挿入され、この国の人びとの哀しみと希望を伝える。 |
そして映画はつづく |
キアロスタミ、プールアハマッド ゴルパリアン、土肥悦子訳 二九五七円 |
世界中から絶賛されるイランの巨匠アッバス・キアロスタミ。繊細にして豊饒なその作品は、いかにしてつくられるのか?瑞々しい秀作『友だちのうちはどこ?』製作ノート、エッセイ、黒澤明監督との対話から、すぐれた映画作家の思想と方法を解きあかす。フィルモグラフィほか詳細なデータを付した、キアロスタミ映画のすべてを明かす一冊。 |
悲情城市の人びと──台湾と日本のうた |
田村志津枝 一九三七円 |
一九八九年ヴェネチア映画祭のグランプリに輝いた台湾ニューシネマの傑作『悲情城市』。映画のなか、弾圧される台湾の青年たちが日本の戦前の流行歌「幌馬車の唄」をうたう。この歌は台湾でどのように歌いつがれていたのか。人々のなまの声を紡ぎ、歴史の波間にゆれ動いた近くて遠い国台湾の悲しみを追う、書下ろし傑作ノンフィクション。 |
台湾人と日本人 ──基隆中学「Fマン事件」 |
田村志津枝 二〇三九円 |
半世紀前、日本統治下の台湾の基隆中学で、日本人とともに学ぶ台湾人生徒が特高に連行された。噂された秘密結社による独立運動はあったのか。いじめ。警察への密告。台湾人と日本人、先生と生徒との確執。戦時下の植民地で息をひそめて生きた少年たちの思いがいま明かされる。歴史の波に翻弄される人生をたどる力作ノンフィクション。 |
テレサ・テンが見た夢 ──華人歌星伝説 |
平野久美子 一八三五円 |
テレサ・テンは台湾軍人の娘として生れた。しかしその歌声は国境や政治体制を越え、全世界13億の華人(中国人)の心を慰めつづけた。彼女の最期の夢。それは全ての中国人の真の「祖国」である中国の姿だった。台湾、香港、大陸中国、東南アジア、欧米と多くの人々に取材し、現代中国情勢の内側を生きぬいた彼女を描く力作ノンフィクション。 |
アフガニスタンの風 |
ドリス・レッシング 加地永都子訳 一九九五円 |
ソ連軍のアフガニスタン侵攻から7年目の1986年、イギリス人女性作家がパキスタン国境の町を訪ね、兵士、難民、女性たちの声を聞き取った。多種多様な民族が集まった独立自尊の民。超大国の圧倒的武力を前にしたとき、この国に何が起きたのか。なぜ戦火はやまないのか。人類をとらえつづける戦争という病を考えるための重要な報告、思索行。 |
沖縄は歌の島 ――ウチナー音楽の500年 |
藤田正 二五二〇円 |
沖縄は歌にあふれた島である。古典音楽も島唄も沖縄ポップスも、すべて身近にある。赤犬子、普久原朝喜、嘉手刈林昌、照屋林助など、多彩なミュージシャンを軸に「はじめて登場した入門的通史」。ウチナー音楽の素晴らしさを解き明かす。 |
美女とは何か ──日中美人の文化史 |
張競 二五二〇円 |
古来、美女は世の憧れを誘う一方で、男の運命を狂わす悪女であり、亡国の元凶であり、女神、幽霊、異人、薄幸、世の移ろいのたとえであった。また、文化によって時代によって、美人観は大きく変化する。美人は文学や絵画のなかでどのように描かれ、いかにイメージが形成され、機能したのだろうか。東アジアにおける美女と美貌に関する比較文化史の決定版。 |
ハンナ・アーレント伝 |
エリザベス・ヤング=ブルーエル 荒川、原、本間、宮内訳 六九三〇円 |
革命と戦争、全体主義が吹き荒れた時代のなかで、公共性と人間の自由を問いつづけた政治哲学者ハンナ・アーレント。未発表を含む膨大な資料、可能なかぎりの関係者へのインタヴューをもとに、アーレントの全体像に迫る決定版評伝。ハイデッガー、ヤスパース、ブレヒト、ベンヤミン、ショーレム、ブロッホなど著名な人物が登場し、20世紀の迫真のドラマが展開する。「彼女の著作を読むよりもその思想がわかる」と絶賛された待望の翻訳。 |