「みんな考えよう。それは、寺小屋なんですね。明治という時代が始まる前、江戸時代には、あちらこちらに寺小屋があったのです。そこは自分たちの学校でした。自問自答の学校なんです。
 自分で問題をつくり、自分で答えを考えていくのです。
 それは、学校でのテストのように、決められた答えはありません。問題を持ち越すんです。ここでは、学校の授業で取り上げることのないことを、みんなと話していきたいです」
 鶴見俊輔は話しだした。哲学者と中学生13人の対話が始まった。みんなで考えよう。シリーズ1『大切にしたいものは何?』、シリーズ2『きまりって何?』に続く最終巻。テーマは、永遠の問い『大人になるって何?』です。