新教養主義宣言

山形浩生 一八九〇円
出口のみえない不況、会社はリストラの嵐、年金は先行き不明、学校は崩壊、ドン詰まりで打つ手なしの二ッポン。でもどうせそうなら、もっとアクロバチックでクレイジーな提案をしていこうよ。国家の民営化、選挙権の売買、消費税の連続的引き上げ等々、21世紀の日本社会へ向けた、一見暴論だけど実はまじめで巧妙な提案の数々。いま望まれる新しい知の集積がこれだ。

根をもつこと、翼をもつこと

田口ランディ 一四七〇円
多発する幼児虐待事件、成人式で暴れる青年たち、8月6日の広島で体験したこと、いまも地雷が埋まるカンボジアの現実……、いま生きていくのはキツくてたいへんなことだけれど、でも私たちには想像力という魂の翼がある。『できればムカつかずに生きたい』で第1回婦人公論文芸賞を受賞した作者による、待望のエッセイ集第4弾!

できればムカつかずに生きたい

田口ランディ 一四七〇円
疾風怒濤の半生を送ってきた田口ランディは、何について悩み、考え生きてきたか。ひきこもりの末亡くなった兄のこと、大人に絶望していた17歳の頃について、犯罪被害者たちは恨みつらみをどう晴らせばよいか、プチ家出をする少女たちの心情とは……事件、心の病、家族間・世代間の軋轢などを題材に、ケタ違いの説得力でせまる人生指南コラム集。

マンガの力 ──成熟する戦後マンガ

夏目房之介 一六八〇円
手塚治虫「ブッダ」、梶原一騎「巨人の星」、藤子不二雄「ドラえもん」、水木しげる「ゲゲゲの鬼太郎」、美内すずえ「ガラスの仮面」、山岸凉子「日出処の天子」などなど、戦後マンガの黄金期にうまれた名作群はなぜ面白いのか。その面白さの秘密を、夏目流「マンガ表現論」の手法であざやかに解析。あの名作を読み返したくなる、定番名作マンガの読み方。

哲学者クロサキの写真論

黒崎政男 一九九五円
デジタルカメラの出現で、撮った画像データをいかようにも加工できるとすると、決定的瞬間を切り取るという写真本来の意義はどのように変わっていくのか? 技術の進歩に伴い変化する人間の美意識に迫り、まったく新しい写真論を構築する。クラシックカメラからデジカメまで写真の歴史を縦横無尽に駆け抜ける哲学者の勇壮な試み。

古くさいぞ私は

坪内祐三 二七三〇円
気鋭な評論家は、読書する日々である。趣味ではない。研究とも縁遠い。そんな生活を続けていると、書物の持っているアウラを感じ取り、本の魅力について話し合える人を嗅ぎわける嗅覚も身についてくるのだ。そこから発せられた読書と本に刊するエッセイ・書評と魅力あふれた楽しい一冊である。もちろん神保町との付き合い方もある。

文庫本を狙え!

坪内祐三 一九九五円
『週刊文春』で好評連載中のコラム「文庫本を狙え!」が、ついに一冊になってお目見えする。文庫本の山の中、文庫本という雑踏の中を散歩するように、著者は毎週一冊の文庫を狙って歩いている。いまも。武田百合子、村上春樹、団鬼六、ベンヤミン、勝新太郎、ミラン・クンデラ、竹中労、江藤淳、殿山泰司、中道義道、小林信彦……154の文庫本が乱舞する。手にすると、もう眠ることは出来ない。

ロードショーが150円だった頃

川本三郎 一九九五円
昭和三十年代、東京に豪華な劇場が続々と誕生し、最新のアメリカ映画が封切られた。大型スクリーンに踊るエリザベス・テーラーの肢体、リッキー・ネルソンの銃さばき……。ハリウッドが輝いていた頃のアメリカ映画を、当時のプログラムもまじえてもう一度味わう回想の映画館。

青春の東京地図

泉麻人 一六八〇円
渋谷、青山、原宿、六本木、新宿、小田急線沿線……。昭和30〜40年代の東京の街並みを舞台に、泉さんの少年時代、青春時代の思い出をかさねて描いていく。生まれ育った下落合の風景、テレビ番組、お菓子、CM、遊び、音楽や映画……。もう残っていない、見ることのできない東京の一時代を泉さん独特のタッチで軽やかに、ユーモラスにつづる、自伝的東京案内。

軟弱者の言い分

小谷野敦 一六八〇円
体が丈夫な奴なんか友達に持ちたくない! 軟弱者で何が悪い。『もてない男』で多くの男性に勇気を与えた著者が満を持して放つ、言いたい放題・痛快エッセイ集。自分さがしの胡散臭さ、いじめられっ子の怨み、ベストセラー小説に疑問を呈する、などなど。誰もが恐くて口にしなかったあんなことこんなこと、強者仕様の世の掟に物申す、軟弱ヒーローここに誕生。

*表記の定価は2002年3月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。