ロードショーが150円だった頃

川本三郎 一九九五円
昭和三十年代、東京に豪華な劇場が続々と誕生し、最新のアメリカ映画が封切られた。大型スクリーンに踊るエリザベス・テーラーの肢体、リッキー・ネルソンの銃さばき……。ハリウッドが輝いていた頃のアメリカ映画を、当時のプログラムもまじえてもう一度味わう回想の映画館。

定本 映画術

A・ヒッチコック、F・トリュフォー 蓮實重彦、山田宏一訳 四二〇〇円
これが映画だ! 映画の巨匠が華麗なテクニックを大公開。サイレント時代の処女作から最後の作品まで、五二〇枚の写真を駆使して語りつくす。「まず読み物として興味津々」「技術面だけにととまらず、技術と主題、形式と内容とが不可分のものであることを、じつに説得的に語っているところに本書の真の価値がある」(朝日新聞評)

そして映画はつづく

キアロスタミ、プールアハマッド ゴルパリアン、土肥悦子訳 二九五七円
世界中から絶賛されるイランの巨匠アッバス・キアロスタミ。繊細にして豊饒なその作品は、いかにしてつくられるのか?瑞々しい秀作『友だちのうちはどこ?』製作ノート、エッセイ、黒澤明監督との対話から、すぐれた映画作家の思想と方法を解きあかす。フィルモグラフィほか詳細なデータを付した、キアロスタミ映画のすべてを明かす一冊。

小津安二郎のまなざし

貴田庄 二四一五円
小津安二郎の映画には、一見物語には無関係に思える奇妙なショットがちりばめられている。枕もとに置かれた目覚し時計。風にひるがえる洗濯物。煙のたなびく煙突。……。小津の観客には忘れがたいそれらのショットを精細に分析し、その映画術の深奥に迫る。小津映画の秘密をすみずみまで解き明かす、画期的な書き下ろし評論。

映画辛口案内 ──私の批評に手加減はない

ポーリン・ケイル 朝倉久志訳 三八七三円
いい映画なら、ノドを鳴らして味わいつくす。つまらなければ、歯に衣きせず斬りまくる。俳優の演技はもとより、映像技術の細部を吟味し、作品の出来を論評。その博識と独特の辛口批評で知られる「ニューヨーカー」の女性評論家が、冒険活劇からSF、コメデイ、文芸大作まで、88本の映画を相手どって展開する、愛情あふれる徹底ガイド!

素晴らしきかな映画

野口久光 五四六〇円
モンロー、ボガート、アステア、ギッシュ、ヒッチコック──サイレント時代からハリウッド黄金期まで、それぞれの時代に、銀幕を彩った数かずの大スター、名監督たちがいた。34人の映画人の足跡を豊富なエピソードでたどる、著者初の単行本。写真多数、巻末に完全版フィルモグラフィーを収録。この一冊で、映画は百倍たのしくなる!

未来映画術『2001年宇宙の旅』

ピアース・ビゾニー 浜野保樹、門馬淳子訳  四九三五円
スタンリー・キューブリック監督『2001年宇宙の旅』の製作過程は多くの謎に包まれていた。著者は当時の一次資料を発掘し、その製作過程を解きあかすことに成功した。貴重な多数の図版に加え、シノプシス全文、当時のレビュー記事を収録した本書は、すべてのファンが待ち望んだ、メイキング・オブ・『2001年宇宙の旅』の決定版だ。

シネマで夢を見てたいねん

芦屋小雁  二九四〇円
「映画は醒めて観る夢や。映写機にかけたらこの眼で観られる夢や……。」忍術映画や猫化け映画。キング・コングやドラキュラ、フランケンシュタインなど銀幕の怪物たち。怪奇SF映画のフィルム・コレクターとしての歓びと哀しみ……。上方喜劇の人気者の著者が、コメディアン人生をたどりつつ綴る、この世ならぬ夢と不思議のシネマに捧ぐ讃歌。

和田夏十の本

谷川俊太郎編 二五二〇円
『黒い十人の女』 や『炎上』など、夫・市川崑監督作品の脚本家として知られる和田夏十は、62歳の若さで惜しまれつつこの世を去った。脚本のほか、エッセイ、創作、詩、評論など、遺された多くのすぐれた作品を、詩人・谷川俊太郎がセレクトし、一冊に編みあげた。働く女性として、時代に先がけて生きた和田夏十の魅力を網羅した待望の作品集。

レニ・リーフェンシュタール ―― 20世紀映像論のために

平井正 二四一五円
第三帝国の美神か。最高の映像作家か。オリンピック記録映画『民族の祭典』でナチスドイツの栄誉をになう映画監督となり、戦後もあくなき映像美の追求を続けるレニ。多彩な資料をもとにその生涯と仕事をだどり、美と時代との関わりに迫る力作評論。「現在のコマーシャルやスポーツのありかたを考えるうえでも示唆的な視点」(日本経済新聞評)


*表記の定価は2002年3
月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。