小説、時にはそのほかの本も

川本三郎 二二〇五円
書物はいつでも気持ちを豊かにしてくれる。藤沢周平の描く強く心優しいヒロインに心揺さぶられ、花田清輝のひねくれた文体に、鋭い批評精神を見出し、はたまた大江健三郎文学の「子ども」性について思考を巡らす。通好みの名作から話題の人気小説まで約40本! 心にとどめておきたい日本文学を味わいつくす、本好きによる本好きのための書評エッセイ。

文庫本を狙え!

坪内祐三 一九九五円
『週刊文春』で好評連載中のコラム「文庫本を狙え!」が、ついに一冊になってお目見えする。文庫本の山の中、文庫本という雑踏の中を散歩するように、著者は毎週一冊の文庫を狙って歩いている。いまも。武田百合子、村上春樹、団鬼六、ベンヤミン、勝新太郎、ミラン・クンデラ、竹中労、江藤淳、殿山泰司、中道義道、小林信彦……154の文庫本が乱舞する。手にすると、もう眠ることは出来ない。

実用書の食べ方

岸本葉子 一六八〇円
料理本、冠婚葬祭などのマナー集、こころの問題、ビジネス書など、実用書の世界はじつに奥が深い。エッセイスト、書評者として活躍する岸本葉子さんが、さまざまな実用書を試した、悪戦苦闘の日々をつづる体験エッセイ。実用書の効能をとくとともに、現代人の悩みやコンプレックス、欲望を明らかにする。

建築探偵、本を伐る

藤森照信 二七三〇円
人は誰でも読書の楽しみを持っている。ところが読書関係の本といえば、文学や哲学関係者によるものが多い。なぜだ! そこにストップをかけるのが藤森先生である。建築史家であり、建築探偵家であり、路上観察家であり、このところは赤瀬川原平家のニラハウスを建てた建築家だ。同時代を歩く建築家は、どんな本をどう読んできたのだろう。それが初めて明らかになる。こう御期待。

解説屋稼業

鹿島茂 一八九〇円
フランス文学者にして稀代の愛書家、読書家、エッセイストとして知られる氏の初の「解説」集。人は文庫本を手にしたとき、巻末の「解説」から目を通すことが多い。原作を生かすも殺すも「解説」次第。だから「解説」書きは真剣勝負。きっと原作も読みたくなる名「解説」36本に「解説屋稼業」の道を説くエッセイを付す。秀逸な読書ガイドでもある一冊。

古本屋 月の輪書林

高橋徹  一九九五円
消えた人、消された人、忘れさられた人。本が人であるなら、古い本から一人でも魅力ある人物を見つけ出し再評価したい。月の輪書林の古書目録「美的浮浪者・竹中労」には一万冊を超える古本が並び、世の本好きをうならせた。古本市場での手に汗にぎる対決、目録作りの醍醐味、どうしたら古本屋になれるのか……。本が乱舞し人が踊りだす奮闘記。

読書欲・編集欲

津野海太郎 一九九五円
読みたい本がなければ、自分でつくるしかない。植草甚一。羽仁もと子。淀川長治。今江祥智。片岡義男。……。名だたる編集人間たちの仕事に光をあて、本の活力をもういちど見直してみようと語りかける。編集者としてたのしみつつ本をつくり読んできた著者による編集と読書をめぐるエッセー。

オードリーとフランソワーズ

乙女カルチャー入門
流行に振り回されない女性はどんな小説を読んで、どんな映画や音楽を楽しんでいるの? お洒落リーダーはキャサリン・ヘプバーンだけど『パリの恋人』のオードリー・ヘプバーンも大好き。幸田文、サガン、ゴダール、ナラ・レオン……。あなたがそんな「乙女」ならきっと夢中になる定番アイテムが勢揃い。ロマンティックな文化百貨店へようこそ!

東京本遊覧記

坂崎重盛 二三一〇円
気ままな散歩が、至福の時である。風を感じ、梅の香りを嗅ぐ。片手に、その街を描いた本があればもっといい。タイムトリップしたり、主人公の気分にひたったり。そんな思いから生まれたのが、この一冊。読んで散歩し、散歩してから読む。露伴が漱石が鴎外が荷風が歩いた東京がぐんと近くなる。百冊の東京本が出揃っている。東京案内の決定本!


*表記の定価は2002年3
月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。