現代の職人
石山修武 写真・藤塚光政  三八七三円
建築家、デザイナー、技術者、俳優、ディレクター、編集者、酒場の主……。便宜上さまざまに呼ばれていても、その仕事にどこか一点「職人」と呼ばざるをえないキラメキがあれば、それは職人だ。有名無名を問わず、モノを作ることの楽しみをきわめた59人をその仕事場に訪ね、大量生産の時代を切り裂く生き方を縦横に語らしめたエッセイ。

美しい書物の話──中世の彩飾写本からウィリアム・モリスまで
アラン・G・トマス 小野悦子訳 二八三五円
美しい書物はどのようにして作られてきたか。中世にイギリスの辺境の島で作られた福音書。グーテンベルクの活版印刷術によって生まれた聖書。ウィリアム・モリスの理想の書物──。美しい書物を作った人々の情熱と運命を人間味あふれるエピソードによって物語る。書物の美しさのエッセンスを豊富な図版を駆使して解き明かす書物の文明史。

ウィリアム・モリス伝
ヘンダースン 川端・志田・永江訳 七八〇〇円
比類なき装飾芸術家にして詩人、そして社会運動家。19世紀イギリスの巨人、モリスの思想と活動の全貌を初めて提示した本格的伝記。図版多数。「彼の生活や仕事を細かく検討しつつ全体像を浮き彫りにする力量は卓越しており、伝記を尊重するイギリスならではの伝統が本書に結晶しているように思われる」(毎日新聞評)。

理想の書物
ウィリアム・モリス著 W・S・ピータースン編 川端康雄訳 三二六二円
ウィリアム・モリスは晩年、ケルムスコット・プレスを設立し、みずから理想とする書物の製作にのりだした。その活動の過程で発表された、書物芸術を主題とする論文および講演記録のすべてを集めた貴重な書。本を愛するすべての人に贈る。「モリスを知る上で最も重要な本のひとつである」(東京新聞・柏木博氏評)

イギリスの大聖堂
志子田光雄、志子田富壽子 二七三〇円
大聖堂(カテドラル)とは、キリスト教の教区をまとめる司教の座をもつ教会堂のこと。本書はイギリスにある代表的な20か所を訪ねる「古寺巡礼」案内。王侯、貴族、修道士、庶民が行き交った場所から、イギリスの人びとの生活や心象風景が見えてくる。教会建築の見方、歴史・美術の基礎知識付き。キリスト教文化への入門書、旅の手引きに最適。

英国の紳士
フィリップ・メイソン 金谷展雄訳 定価四三八四円
紳士が見えればイギリスが見える。サッカレー、ジェイン・オースティン、ディケンズなどの作品から、あるいは実在の紳士たちの記録から、たくさんの実例を収集し、イギリス人の理想の行動様式を探った卓抜な英国文化史。「英文学を読む時の座右の書として、あるいは歴史書として貴重な本に仕上がっていることは疑いない」(毎日新聞評)

ピーターラビットの村から
岩野礼子 一八三五円
イギリス湖水地方──そこはピーターラビットの故郷。あのいたずらっ子のウサギを愛する著者は、光あふれ、ときに雨と虹に彩られる国を何度も旅する。素朴な暮らしがあり、羊たちや牧羊犬とのふれあいがある。いまは彼の地に眠るビアトリクス・ポターやアーサー・ランサムのことなど。人々をつつむ景色と物語との魅力を伝える紀行エッセー。

美しい日本の道具たち
高森寛子 一八九〇円
鉄瓶、お櫃、漆器、ざる、紬、櫛など、いまではあまり目にしなくなった昔ながらの道具たち。もう一度見直して新しい使い方を提案する生活エッセイです。モノづくりする職人の仕事や産地の話、手入れの仕方や、家電機器との相性、現代のマンション暮らしでの活かし方など、モノたちの背景と、道具からひろがる美しい暮らし方をつづります。

手仕事の生活道具たち
片柳草生 二三一〇円
毎日使う、身辺の道具だからこそ、竹、木、ガラス、布など自然素材のやさしいものを選びたい。テレビのリモコンを入れる小さな竹の籠。料理によってかえる大小の木杓子。銀の耳掻き。赤ちゃんのための漆の椀……。日本、アジア、インドなど、いまもコツコツと受け継がれる手仕事の道具から、使いやすい丈夫なものをを紹介。実用を重視すると、シンプルで美しい大人の雑貨に辿りく。

器(うつわ)・魯山人おじさんに学んだこと
黒田草臣 一八九〇円
黒田陶苑は、個性的な器揃えの店として知られている。陶器屋として、親子二代にわたって、様々な作家と仕事をしてきた。とくに魯山人からは、料理を彩る器の大切さを学んだ。たくさんのエピソードを交え、お父さんの時代と自分の経験を語りながら、「用の美」をみたす、焼きものについて書き尽くす。陶器屋が見た日本の近代焼きもの史でもある。

*表記の定価は2001年12
月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。