自分で問題を見つけだして、自分なりの自由な答えを発見していきませんか――鶴見俊輔のそんな問いかけから「みんなで考えよう」は始まった。
 哲学者と中学生十三人が、京都のとあるお寺で車座になり、いじめや塾、学校、きまり、ムカツクこと、親とのつきあい方……など、いま、自分たちを取り巻いている問題について次々と話し出した。
 「ここは寺子屋なんです。みんなが行っている学校ではありません。あらかじめ決められた答えなんてないのです。そこで、答えが決まらない場合には、その問題をもちこすことです。もちこす、ということが大切だと思うんですね。問題をもちこすことが習慣になること、癖になることを望みます。そういうことが、考えることだと思っています」
 鶴見俊輔は、時々、自分の考える流儀を、中学生たちに話しかける。
 シリーズ1は、『大切にしたいものは何?』。友だちと遊んでいる時間、わがままな自分のことが大切、プラモデルのガンダム、日ごろのあいさつ、と大切なものへの興味はつきない。話はあちこちに弾んでいく。その他「ムカツクことって何」、「塾って何」、「マンガって何」と考える。
 世代を超えた対話に、ユーモラスに満ちたイラストが踊っている。1のイラストは南伸坊。

 シリーズ2は、『学校って何?』。学校やわたしたちの社会になぜきまりが必要なのかなどがテーマとなっている。イラストは佐々木マキ。シリーズ3は、『大人になるって何?』。中学生たちの目に映る親や学校の先生たちの姿を語り合う。イラストは長新太。