憲法と戦争
C・ダグラス・スミス 一八九〇円
憲法第九条は死んだか? 交戦権とはどんな権利か? 国家はなぜ戦争をするのか? 自衛隊はカンボジアに何をしに行ったか? 「日の丸・君が代」強制の隠された意味とは? 日米ガイドラインは何を目指しているのか? 憲法と戦争をめぐる様々な問題を根源から問い直し、これからの「日本国憲法」を考えるための大きな示唆を与える本。

ラディカルな日本国憲法

C・ダグラス・ラミス 加地永都子ほか訳  一六八二円
「この憲法には今日でもなお行動の原則となりうる原則を含んでいると考えたからこそ、これを書いたのだ」(本書あとがきより)。日本国憲法が実現しようとした世界とはどのような世界なのか? 平和憲法の根源を解明する表題エッセーほか、今日の政治的自己満足から人々の目を覚まさせるエッセー集。

ナショナリズムの生命力
アントニー・D・スミス 高柳先男訳 二九四〇円
冷戦の終結とともに、民族や宗教の対立から発する紛争が世界中で噴出している。政治的イデオロギーとして利用され、人々を破壊的な行動へと駆り立てるナショナリズムの相貌を、人々の文化的な集合意識の形成過程から歴史的に跡づけた新世紀の指標。 「グローバル化、情報化、EU統合などの今日的な問題点を教えられる」(日経新聞評)

宗教の復讐
ジル・ケペル 中島ひかる訳 三六七〇円
1970年代以来、ヨーロッパ、中東、アメリカで、過激な宗教運動が次々に復活しはじめた。それは神の言葉を武器にした世界への新たな「異議申し立て」であった。これまで個別にしか注目されてこなかった宗教運動を、大きな社会的文脈のなかに位置づけ、その力の背景を根底から分析した、気鋭の政治学者による野心作。

ユダヤ国家のパレスチナ人
ディヴィッド・グロスマン 千本健一郎訳 三四六五円
世紀の握手にはじまった中東和平。だがイスラエル国内のパレスチナ人には、和平の恩恵はまったくない。市民権をもちながら公的差別に甘んじなくてはならないことへの諦めと憤り。占領地の同胞への羨望と憎しみ。イスラエル国家の軋みを炙りだす渾身のルポ。「二流市民の苦痛と挫折を探った優れたドキュメンタリー」(北海道新聞評)

現代イスラエルの預言
アモス・オズ 千本健一郎訳 二九四〇円
一九九三年、ラビンとアラファトとは世紀の握手をかわし、ついに中東和平の幕が開いた。なぜイスラエルは占領政策をやめ、パレスチナとの和解を選んだのか。「正義よりも名誉ある妥協を。イスラエルが生きのびる道はこれしかない」国際平和賞受賞作家が和平への確信を語りつくした緊迫感あふれる政治エッセイ。

イスラエルに生きる人々
アモス・オズ 千本健一郎訳 二六五〇円
戦いとは何か。正義とは何か。現代の激動の震源地イスラエルに生きる人々の声と沈黙をそのままつたえ、この小国の悪夢のような過去から現在のさしせまった苦痛、祈りにも似た未来への願望を活写する。ユダヤ人に刻まれた重層的な歴史の響きがわきたつ、イスラエルの今日を代表するもっともすぐれた作家によるイスラエルの本当の肖像。

KGBの世界都市ガイド

小川政邦訳 定価二九八二円
ソ連時代のKGB(国家保安委員会)の元諜報部員たちが実名で描く世界の都市ガイド。ロンドン、パリ、東京、ニューヨーク、カイロ……スパイ独自の視点から見た都市の裏側。名所案内、ミステリー、回想録、冷戦時代の秘話などが渾然一体となった前代未聞の証言だ。栄光と悲哀、プライドと後悔が交錯する日々。でもスパイたるもの、 国や体制が変わっても変わらないのは「酒と女と秘密」好き?

シルクロード・キャラバン
アンヌ・フィリップ 吉田花子・朝倉剛訳 二四一六円
切りたつ峰を馬を連ねて進むキャラバンのリズム。様々な文化を生きる異郷の民との出会い。俳優ジェラール・フィリップ未亡人としても知られる作者が、一九四八年、革命前夜の中国シルクロードを旅した記録。「荒々しい自然を的確に描きながら、そこに住む人たちを温かい目で見ている」(朝日新聞、常盤新平氏評)。〔対談〕鶴見俊輔・長田弘

悠久の美ペルシャ紀行
V・サクヴィル=ウェスト 田代泰子訳 三三六〇円
名園シシングハーストの造園家として知られる女性詩人は、一九二六年英国を発ち、「悠久の国ペルシア」に旅立つ。盗賊をかわし、遊牧民と共に荒野をポンコツ車で駆け抜ける。吹雪のなかを、そびえたつ峰々を徒歩で越える。野生チューリップをめで、古代庭園で暝想にふける。凛として、香り豊かな紀行エッセイの名品。


*表記の定価は2001年11
月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。