20世紀チェコが生んだ市井の才人カレル・チャペック。彼は、園芸や旅行や演劇をこよなく愛し、「ロボット」という言葉を発明し、ナチスと闘い、『ダーシェンカ』『園芸家12カ月』『山椒魚戦争』をはじめ、童話から、長編小説、SF、エッセイ、評論にいたる多彩な作品をのこした。
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 こんなに味わい深いミステリーがあっただろうか――。人間のおかしさ、愚かさ、ぎこちなさ、哀しさを、絶妙のユーモアにくるんで贈る、ショート・ミステリー24篇。
 多くの読者に読みつがれてきた『ベスト版
 ひとつのポケットから出た話』(税込一八九○円)とともに、推理作家チャペックの魅力をあますところなく満喫できる傑作。