住宅病はなおらない

石山修武 一八九〇円
家を持ちたいとお考えなら、この本を読んでからにしていただきたい。家が一生の目的になり、20年30年ものローンに縛られて悔いないとしたら、それは私たちの頭の中に植えつけられた幻想のせいなのだ。現代日本をおおう住宅病から開放されるために気鋭の建築家が豊かな実践をふまえて構想する、新しい家づくりのすすめ。

こんな家に住みたいナ ──絵本にみる住宅と都市
延藤安弘 一九九五円
家は一戸建てでなきゃ、という人も、マンションが好き、という人も、もう一度考えてみよう。世界の絵本のなかに、住宅と都市を住み手にとりもどすための、知識と知恵を読みとる。「私たちは、もっと素敵な住宅、環境、都市に住むことはできないものだろうか? 住める、とこの本の著者は答える」(週刊朝日評)

わが家の新築奮闘記
池内了 一九九五円
地球環境の未来は、いかに人々が大量消費体質から脱却するかにかかっている。常日頃、それを持論とする宇宙物理学者のイケウチ先生が、自宅の新築を決心するにいたった。太陽光発電や雨水の利用は本当に「環境に優しい」か? はたまた、子供の独立後、夫婦二人で暮らす家はどうあるべきか? ユーモアにあふれる、書き下ろし長編エッセー。

これからの集合住宅づくり
延藤安弘+熊本大学延藤研究室 二九四〇円
古い団地の建替、住宅地の再開発などを機に、全国各地で住民参加の集合住宅づくりが積極的にすすめられている。著者自身をふくむ16家族が誰も体験したことのない集合住宅づくりにいどんだ、熊本市の[Mポート]ほか、集合住宅に新しい価値をもたらした全国12の事例をきめこまかに紹介、新しい集住生活を提案する。写真・北田英治

子どもはどこで犯罪にあっているか ――犯罪空間の実情・要因・対策
中村攻 一九九五円
通学途上や遊びの場で、子どもが暴行・恐喝・痴漢・などにあう危険が増大している。公園・道路・商店街・駅・集合住宅の敷地内など、実際に子どもたちが被害にあった場所を実施調査し、都市空間にひそむ危険性を多数の写真と地図をまじえて指摘する。子どもを犯罪の被害から守るために必読の書。

インテリアと日本人
内田繁 二一〇〇円
畳の部屋はちゃぶ台ひとつでダイニングに、ふとんを敷けば寝室に。障子や襖は気配まで遮断しないやさしい仕切り――いま、日本の伝統的身体・空間感覚がインテリアデザインに生かされ、世界で高く評価されている。わが国を代表するインテリア・デザイナーが、創作の実際に則して〈日本的空間とインテリア〉の特質を解きあかした本。

美しい日本の道具たち
高森寛子 一八九〇円
鉄瓶、お櫃、漆器、ざる、紬、櫛など、いまではあまり目にしなくなった昔ながらの道具たち。もう一度見直して新しい使い方を提案する生活エッセイです。モノづくりする職人の仕事や産地の話、手入れの仕方や、家電機器との相性、現代のマンション暮らしでの活かし方など、モノたちの背景と、道具からひろがる美しい暮らし方をつづります。

ガラクタをちゃぶ台にのせて
さえきあすか 二一〇〇円
一昔前までは、ガラクタとして扱われていた大正時代や戦前までの品物が、少しずつ注目を集めている。アンチモニーのエンピツ削り。竹や木、金網で作られた虫かご。ネクタイ更正器や電話料金箱など……。著者のコレクションから、いまだ名もなき品々の来歴、時代背景、思い出などを語りながら、大量消費時代に入る前の、なつかしい日本をふりかえる。

明治がらくた博覧会
林丈二 一九九五円
手帳やペン先から、遊戯盤、電信柱、錠前、病用具、バケツ、沓刷、ブランコ、はたまたビリケンやキューピーまで……。一見何のへんてつもない「がらくたの集まり」も、路上観察家・林丈二の眼をとおして見れば「宝の山」にはやがわり。200点以上の貴重な図版とユニークなエッセイで、日本人の生活を垣間みる、見ても読んでも楽しい一冊。

裂織(さきおり)の本
八田尚子 二五二〇円
ぼろ布を細く裂き、よこ糸として織り込んでいく裂織。木綿が手に入りにくかった時代、女性たちは使い古した布をふたたび新しい布へと再生し、家族の仕事着や夜具をつくった--1960年代を境に消えていた裂織が、いま見直されている。日本人と布にまつわる歴史・民俗をたどりつつ、新しい織り手たちの心意気を伝える。心地よい暮らしのために。簡単な作り方つき。


*表記の定価は2001年8
月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。