解説屋稼業事始

私はショージ君にマインド・コントロールされている
東海林さだお 『行くぞ! 冷麺探検隊』
文春文庫

第1章 解説屋は伴走者である 

一行分の人生を生きぬいた男たち
川本三郎『スタンド・アローン』
ちくま文庫

さらば、夏の光よ
川本三郎『マイ・バック・ページ』
河出文庫

焦点なき収斂
筑摩書房『堀田善衛全集』月報3

橄欖色の洋杯
筑摩書房『森茉莉全集』月報4

解説無用
東海林さだお 『新漫画文学全集』第四巻「怒濤篇」
ちくま文庫

タイム・トラベラーなぎら健壱 
なぎら健壱『下町小僧』
ちくま文庫

コキュ文学の可能性
平野威馬雄『エプタメロン――ナヴァール王妃の七日物語』
ちくま文庫

第2章 感性の連帯保証と、とびきり愉快な別解

「赤と黒」と「右翼の黒幕」 
『大岡昇平全集』第二十一巻月報
筑摩書房

『幸福号出帆』と『鏡子の家』の関係
三島由紀夫 『幸福号出帆』
ちくま文庫

創作の方法論の武器庫
鹿島茂編『三島由紀夫のフランス文学講座』
ちくま文庫

「異次元の歴史」の風太郎ワールド
山田風太郎 『幻燈辻馬車』下
ちくま文庫

歴史に対する、とびきり愉快な別解
山田風太郎『室町少年倶楽部』
文春文庫

「時代病」を生きる保吉
『芥川龍之介全集』第二十巻月報
岩波書店

「変な小説」の過激なキャラクター
中里介山『大菩薩峠』第九巻
筑摩書房

もうひとつの真実
朝倉治彦・三浦一郎編『世界人物逸話大辞典』
角川書店

怪盗ルパンは今もいる
モーリス・ルブラン原作『ルパンの逮捕』
くもん出版

「したたかさ」を兼ね備えた「かしこい女の子」の創出
『ちばてつや全集』 「島っ子」1
ホーム社

感性の連帯保証人
中野翠 『ムテッポー文学館』
文春文庫

第3章 「問い」の量と質

丸谷流エッセイのおもしろさ
丸谷才一『青い雨』
文春文庫

パリの風来坊日本人
藤田宜永『巴里からの遺言』
文春文庫

スノッブなければ文化なし
甘粕りり子『最新明解流行大百科』
光文社文庫

大地と人間から生まれるもの
宇田川悟 『ヨーロッパ ワインの旅』
ちくま文庫

性の「質量転換の奇跡」
いそのえいたろう 『性狂伝』
徳間文庫

愛する三角関係
みうらじゅん 『ボク宝――国宝よりも大切なボクだけの宝』
光文社文庫

規格外人間のエスキース 
本橋信宏 『にくいあんちくしょう――異端カリスマ列伝』
ちくま文庫

《室内の山本夏彦》と《室外の山本夏彦》 
山本夏彦 『『室内』40年』
文春文庫

第4章 時代を読む、歴史を読む

近代日本と官僚制、あるいは三島由紀夫
猪瀬直樹『ペルソナ 三島由紀夫伝』
文春文庫

二十世紀の「知の考古学」
丸谷才一・山崎正和 『二十世紀を読む』
中公文庫

明治の男は強かった
森まゆみ『鴎外の坂』
新潮文庫

野坂昭如の構成力
『野坂昭如コレクション』第二巻月報
国書刊行会

悲しき熱帯は「楽しき熱帯」になった
奥本大三郎『楽しき熱帯』
集英社文庫

面白くてためになる幻想地誌学の誕生
谷川渥 『幻想の地誌学』
ちくま学芸文庫

これまでのサド観をくつがえす
藤本ひとみ 『侯爵サド』
文春文庫

シュヴァリエのエレガンス
ルイ・シュヴァリエ 『歓楽と犯罪のモンマルトル』
ちくま学芸文庫

夢のテーマ別読み物事典
アルフレッド・フィエロ著『パリ歴史事典』
白水社



あとがき 解説屋稼業の解説 鹿島茂 

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