建築探偵、本を伐る
藤森照信 二七三〇円
人は誰でも読書の楽しみを持っている。ところが読書関係の本といえば、文学や哲学関係者によるものが多い。なぜだ! そこにストップをかけるのが藤森先生である。建築史家であり、建築探偵家であり、路上観察家であり、このところは赤瀬川原平家のニラハウスを建てた建築家だ。同時代を歩く建築家は、どんな本をどう読んできたのだろう。それが初めて明らかになる。こう御期待。

ごはんつぶがついてます

南伸坊  一八九〇円
イラストライター・装丁家の著者の特選エッセイ集!「美学校」のころ。「ガロ」編集者時代。ツマにあてる手紙。深沢七郎さんに会いにいった日。私の葬式。無人島に持っていく本。格言の勉強。長井勝一さんのこと……。日々の暮らしをクスッと笑ったり、しんみりと思い出したり、シンボー・ワンダーランドの心温まる日々に御招待します。

型録・ちょっと昔の生活雑貨
林丈二 一八九〇円
明治の初期にはじまった通信販売。当時のカタログには、鉛筆、魔法瓶、料理ストーブ、帽子掛、お丸、ハンモック……ありとあらゆる暮らしの道具が掲載されている。300点もの貴重な図版とエッセイで丹念に掘り起こす、衣・食・住の道具が語る日本人の生活史。一歩でも西洋人に近づきたかった、ちょっと昔の日本人の暮らしが見えてくる。

明治がらくた博覧会
林丈二 一九九五円
手帳やペン先から、遊戯盤、電信柱、錠前、病用具、バケツ、沓刷、ブランコ、はたまたビリケンやキューピーまで……。一見何のへんてつもない「がらくたの集まり」も、路上観察家・林丈二の眼をとおして見れば「宝の山」にはやがわり。200点以上の貴重な図版とユニークなエッセイで、日本人の生活を垣間みる、見ても読んでも楽しい一冊。

文庫本を狙え!
坪内祐三 一九九五円
『週刊文春』で好評連載中のコラム「文庫本を狙え!」が、ついに一冊になってお目見えする。文庫本の山の中、文庫本という雑踏の中を散歩するように、著者は毎週一冊の文庫を狙って歩いている。いまも。武田百合子、村上春樹、団鬼六、ベンヤミン、勝新太郎、ミラン・クンデラ、竹中労、江藤淳、殿山泰司、中道義道、小林信彦……154の文庫本が乱舞する。手にすると、もう眠ることは出来ない。

古くさいぞ私は
坪内祐三 二七三〇円
気鋭な評論家は、読書する日々である。趣味ではない。研究とも縁遠い。そんな生活を続けていると、書物の持っているアウラを感じ取り、本の魅力について話し合える人を嗅ぎわける嗅覚も身についてくるのだ。そこから発せられた読書と本に刊するエッセイ・書評と魅力あふれた楽しい一冊である。もちろん神保町との付き合い方もある。

ストリートワイズ
坪内祐三  二四一五円
街をひとつの大きな学習の場として、さ迷い歩いて行く。時に自分を見失いそうになりながら、身につけた知恵や知識。それが、ストリートワイズだ。福田恆存との出会い。丸山眞男の死で思ったこと。同世代の原辰徳の引退。大好きだった力道山のこと。それに真夏の読書……。街を歩き、そこで発見した新しい学問がここにある。

一人が三人──吾輩は目黒考二・藤代三郎・北上次郎である
目黒考二 一八九〇円
雑誌『本の雑誌』発行人は三つの顔を持っている。目黒考ニに北上次郎、そして藤代三郎。この“三人”が一冊になったのだ。目黒篇では、亡き父の横顔や姪の結婚話など心温まる物語が綴られる。藤代篇は、大井競馬場を皮切りに宮島競艇塲、さらにはロンドン競馬場訪問記が並んでいる。そして、おなじみ北上篇。90年代後半のお勧めミステリーの紹介だ。目黒ワンダーランドにようこそ!

古本屋 月の輪書林

高橋徹  一九九五円
消えた人、消された人、忘れさられた人。本が人であるなら、古い本から一人でも魅力ある人物を見つけ出し再評価したい。月の輪書林の古書目録「美的浮浪者・竹中労」には一万冊を超える古本が並び、世の本好きをうならせた。古本市場での手に汗にぎる対決、目録作りの醍醐味、どうしたら古本屋になれるのか……。本が乱舞し人が踊りだす奮闘記。

期待と回想 上・下

鶴見俊輔 各二四一五円
「私は不良少年だった……。」戦後日本を代表する哲学者が、七十余年にわたる自らの思索の軌跡を語りあかした。父母との葛藤。ハーヴァード大学での新しい記号論の哲学運動との出会い。「思想の科学」「べ平連」などの活動。桑原武夫、丸山眞男、吉本隆明らとのエピソード。読書、漫画、編集について──。明日に開かれた対話による思索的自伝。


*表記の定価は2001年6
月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。