はじめに……赤瀬川原平


1 夜ごとおねしょうをする少年
 弱虫の坊やちゃん 赤瀬川骨茶と言葉遊び 白い子のほっぺをなめる
 大分で空襲、そして終戦 飛行機・軍艦の絵が評判に
 小遣い稼ぎのアルバイト 偉い兄貴と磯崎新さん 一回だけ怒ったお父さん
 アンモニア臭い部屋で 中学三年でおねしょが治る 友人とのひねった遊び

 梅雨の少年期

2 アヴァンギャルドの方へ
 旭丘高校美術課に転校 貧しい家族の内職生活 サンドイッチマンの辛い日々
 アフリカ、アラブがトレンド 十二指腸潰瘍と伊勢湾台風

 ある学生とその父親

3 オブジェに魅せられて
 ネオ・ダダの旗揚げ ネオ・ダダの愉快な面々 破壊競争とオブジェ
 真空管とゴムのチューブ 「患者の予言」と古下着 六〇年安保と絵描き

 アンポとネオダダ

4 匿名の思想的変質者たち
 国立と山手線でのイベント ハイレッド・センターの結成へ 首都圏清掃整理促進運動
 千円札作品の登場 梱包作品とクリスト

 謎の十字路の謎

5 被告として裁判を楽しむ
 警視庁に任意出頭する 取り調べで美術史を語る 朝日新聞の記事と起訴
 「芸術裁判で行こう」 法廷でのハプニング 猥褻罪に似ている模造罪
 木の葉のお札と有罪判決 睡眠恐怖症の苦しさ 優柔不断だが楽天的

 スターリン以後のオブジェ

6 メディアで遊ぶ野次馬
 装飾の会社で働く 共産党のポスターを描く 『女性自身』のレタリング
 赤瀬川と松田の出会い 革燐同の街頭闘争 外骨が編集した雑誌と遭遇
 「現代野次馬考」と「櫻画報」 退屈と貧乏性による表現 論壇地図と南伸坊の似顔絵

 燐寸主義序説

7 優柔不断な教師として
 美学校の講義はじまる 考現学のいろいろ 赤瀬川教場という場所
 運送屋戦争と四谷階段 トマソン観測センター 分譲主義という冗談
 ロイヤル天文同好会のこと 第二次千円札事件の発生 『鏡の町皮膚の町』のこと

 一円玉のパワーを調べる

8 肩の力を抜いて小説家
 『少年とオブジェ』と『夢泥棒』 「レンズの下の聖徳太子」のこと
 「肌ざわり」の誕生まで 父子家庭と「自宅で出来るルポ」 主夫体験とホモ疑惑
 ホーバークラフトの滑空感 芥川賞というごほうび 「尾 克彦」という名前
 赤瀬川と尾 の鬼ごっこ 「雪野」「贋金づかい」「出口」

 自宅の黙示録

9 冗談が現実になる面白さ
 外骨リバイバルに向けて 街を観察する人たち 路上観察学会の結成
 バブルの時代と路上観察 藤森さんという人の存在 ニラハウスができるまで
 野蛮人隊長と縄文建築団
 
 無用門の向う側に煙突が沈む

10 趣味が仕事になる幸せ
 痕跡による回顧展 印象派との二度の出会い 絵を描く感覚で絵を見る
 カメラから趣味と実益へ 3Dから中古カメラへ 路上観察からずり落ちた写真
 バックから出てきたライカ同盟 理屈と臍曲がりの功績 後から流行がやってくる
 グループの「長」にならないわけ

 出口

 自筆年譜
 
おわりに……松田哲夫

 作品表