戦争拒否 11人の日本人
山村基毅 一九三七円
「戦争になったら逃げればいいさ」だが、本当にそんなことができるのだろうか? 一人の青年が、その手がかりを求めて日本中を歩く。戦争に参加しないものは「非国民」とされた時代にも、それぞれの理由、それぞれの仕方で戦うことを拒んだ人たちがいた。戦争を知らない世代の若者が捉らえた、もう一つの戦いの真実。力作ノンフィクション。

森の人 四手井綱英の九十年
森まゆみ 一九九五円
九十歳を迎える四手井さんは、里山の発見者である。戦前は林野庁の技官として日本の山に入り、戦後は京大の教授として世界中の森を見てきた。森がどのように成り立ち、自然界のなかでどのように役立っているのか。これからどのように森を守ったらいいのか。聞き書きの名手・森さんが、四手井さんの人生に沿いながら、その学問と考え方について聞く。

日本の森を支える人たち
中沢和彦  三一五〇円
山村は過疎化がすすみ、日本は世界一の木材輸入国となった。産業としてだけでなく、生活や文化まで日本人と深い関わりをもってきた森林が、いまや遠くなっている。なぜ? 著者は北海道から沖繩・西表島までを歩き、全国の「木の仕事・山の人生」を聞きとった。森林を活かす知恵と技術を丹念に集め、日本の森の未来をさししめす労作。

森と文明
ジョン・パーリン 安田喜憲・鶴見精二訳  四七九一円
文明の盛衰の鍵は森にある。古代メソポタミア以来五千年、人類はつねに森に依存してきた。トロイ戦争もアメリカ独立戦争も豊かな森をめぐる争いだった。青銅器・鉄器の誕生や産業革命にも、森が深くかかわっていた。人類の歴史を森との関係のなかから丹念に読みなおし、深刻な環境問題をかかえる現代にあらたな光を投げかけるすぐれた書。

植物との共生
ピーター・バーンハルト 阪本寧男、落合雪野訳  二八五四円
人は古来より植物とつきあってきた。キュウリに祈りをこめた古代エジプト人。トケイソウに救世主の姿を見た大航海時代の宣教師。植物学に夢中の19世紀の貴婦人たち。神話を繙き、台所に立ち、芸術、文化、科学の領野を駆けめぐり、人と植物との抜きさしならぬ関係をウィット富む語り口で明かす。行動する植物生態学者の奥行き深い植物誌。

地球はいつまで我慢できるか ──緑の生態系への旅
ジョン・ハート 網野ゆき子訳  二七三〇円
森、湖、山、川、海──私たちをとりまく大自然が、温暖化、酸性雨、石油流出など致命的な危機にさらされている。地球は生きのびられるのか。アラスカ、フロリダ、アマゾン流域、チベット……豊かな生態系に恵まれた地へ気鋭の生態学者が調査の旅に出る。最先端の研究をもとに自然と人間の共生の可能性を探る、渾身のエコロジー紀行。

東京湾の渡り鳥

石川 勉 二三四五円
ラムサール国際条約の指定地として登録された谷津干潟は大都会に奇跡的に残された鳥たちのオアシスだ。この小さな干潟は地球の南北端を行き来する渡り鳥たちの貴重な中継地である。セイタカシギ。ダイゼン。シロチドリ。ユリカモメ。コミミズクら、四季を彩る鳥たちの生態、愉しいエピソードなど二十年に及ぶ観察から綴る初の干潟自然誌。

西表島自然誌 ──幻のオオヤマネコを求めて
安間繁樹 一九三七円
島を埋めつくす原生林。頻繁に襲来する台風。マラリア。西表島は人間の侵入を拒み続けてきた。この島に魅せられて二五年、気鋭の動物学者が書き下ろした西表島の自然と生活。ヤマネコの棲む島での人々の逞しい生き方を綴る。「自然とじかにつきあい、ともに生きようとする島民へのやさしい共感にあふれている」(日経新聞)

地球は人間のものではない
ジム・ノルマン 星川淳訳  三六七〇円
さまざまな生き物たちと、日々の暮らしのなかで心をかよわせることは、自然とつながることだ。地球環境の荒廃が叫ばれるいま、私たちに何ができるのか。数世代後のすべての生命を守るための新しい生き方を提案する、刺戟的なエコロジー・エッセイ。レイチェル・カーソン、ライアル・ワトソンにつづく、現在エコロジー思想の最先端。

独学のすすめ
谷川健一  二三四五円
南方熊楠。柳田国男。折口信夫。吉田東伍。中村十作。笹森儀助。明治から昭和にかけて、既成の知識に縛られず、誇りをもって自分の道を切りひらいた巨人たちの生きかたを、民族学の第一人者が語る。「暖かで芯の強い語り口には、読者への強い信頼が感じられる」(日刊ゲンダイ)「混迷の時代に、静かな勇気を与えてくれる一冊」(静岡新聞)


*表記の定価は2001年4
月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。