子どものからだとことば
竹内敏晴 一四七〇円
からだのゆがみ、ねじれ、こわばり、など子どものからだこそ、子どもがさらされている危機のもっとも直接的な表現なのだ。分断させられ、孤立させられた「からだ」をすくいだし、からだとことばをとりもどす道をさぐる。「なるほどと思いあたるふしが多く、小さな本であるのにたいへん充実している」(週刊朝日評)

癒える力

竹内敏晴 一五七五円
私たちの「からだ」はみずから癒える力をひめている。閉じこめられた「からだ」を目覚めさせ、新しい自分を見いだすには、どうすればよいか? からだの語ることばに耳を澄まし、人と人との響きあう関係をひらく道をさぐる。長年にわたる「からだとことばのレッスン」の現場での経験と洞察をもとに書かれた、いま孤立に苦しむひとにおくる本。

ドラマの中の人間
竹内敏晴 二五二〇円
ドラマを読むことは人間の生き方を体験することだ。『アンティゴネー』、『三人姉妹』、『人形の家』、『夕鶴』、『セチュアンの善人』。それぞれの時代を代表する、演劇史上名だたる名作を、演出家、竹内敏晴とともに読み解く。

言葉のない世界に生きた男
スーザン・シャラー 中村妙子訳〈序文・オリバー・サックス〉二四四七円
耳が不自由で27歳まで言葉を知らなかったメキシコの青年イルデフォンソ。手話通訳者のスーザンは、聾者クラスで彼に出会う。言葉の概念さえもたない彼に、彼女は全身で語りかけ、献身的な努力が実り、ついにイルデフォンソは手話で自分を表現しはじめる。出会いが生んだ奇跡を描き、人間の可能性に光を投げかける、感動のドキュメント。

見えない病
チャールズ・ハート 高見安規子訳 二九五七円
<自閉症者と家族の記録> 孤立、逃避、恥、絶望……。自閉症とは脳の障害による病である。現在の医学でも、いまだに解明されていない。自閉症の兄と息子をもち、家族として半世紀をともに生きてきた著者が、壮絶な愛と葛藤の道筋をたどり、社会的孤立のなかで、自立にむけて闘う姿を真摯に描く。感動の力作ノンフィクション。

手を洗うのが止められない
ジュディス・ラパポート 中村、木島訳 二九五七円
何時間も続けて手を洗う。部屋中に砂糖をまく。ゴミで埋まった家に住む。家の戸をくぐれない。髪や睫毛を抜かずにはいられない――。全米で400万人以上が苦しむ強迫性障害。この病と20年間むきあってきた精神科医が、病を隠し不安に苛まれる患者たちの生の声を聞きとり、具体的な治療法を綴る。騒然たる話題を呼んだ感動のメディカルエッセイ。

スタニスラフスキー伝 1863―1938

ジーン・ベネディティ 高山・高橋訳 八九二五円
演出家、俳優、初の演技システム考案者。旧ソ連崩壊による新資料をもとに、隠されていたその生涯の新事実を明かす決定的評伝。「宿敵」メイエルホーリドとの真の関係。スターリンとの葛藤……。「神秘のベールをはがされ、リアルで透明になった天才の生。彼の切り開いた時代の相にふさわしい評伝がようやく書かれた」(日経新聞評)

殻を破る ──演劇的探究の40年
ピーター・ブルック 高橋・高村・岩崎訳 二九五七円
死守せよ、そして軽やかに手放せ。演出家ピーター・ブルックはつねに生きた舞台をもとめ、40年間、世界演劇の最先端を歩んできた。ロイヤル・シェィクスピア劇団での数々の傑出した仕事。映画・オペラにおける果敢な試み。世界中から集った役者たちとの異文化横断の旅。現代最高の演出家の、名著『なにもない空間』に続く待望のエッセイ集。

なにもない空間
ピーター・ブルック 高橋・喜志訳 一六八〇円
なにもない空間──そこに一人の男が立ち、そして彼を見つめるもう一人の人間。演劇が成立するためにその他になにがいるだろう。貧困と豊饒、純粋と混沌が背中あわせの場所。われわれの劇場とはわれわれの生きる世界そのものなのだ。今日の演劇に失われた真の全体性を求めて、鬼才演出家ブルックが演劇的表現の真髄を証した異色の論集。

失聴 豊かな世界の発見
ハンナ・メーカ 鴻巣友季子訳 二四一五円
作家である著者はスキー事故で聴覚を失う。音探しの冒険が始まった。稲妻に雷鳴のとどろきを感じ、記憶を総動員して音楽会を楽しむ。〈聴く〉とは五感を開いて想像し、心の耳で感じとることなのだ ──聴力を失って見つけた、まったく新しい〈音〉の世界。「この世がいかに余分な会話、不必要な音楽騒音に満ちているかを教えてくれた」(朝日新聞評)


*表記の定価は2001年4
月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。