嘘、秘密、沈黙。
アドリエンヌ・リッチ女性論 大島かおり訳 三〇一八円
女とは何か。女として生きるとはどういうことか。一人の女として、母として、詩人としての自らの体験を深く掘りさげて、母性神話について、異性愛について、女の教育と仕事についてラディカルに問う。つねにフェミニズムの原点にたちもどりつつその最前線を歩む、現代アメリカを代表する詩人の思考の軌跡を初紹介。

血、パン、詩。

アドリエンヌ・リッチ女性論 大島かおり訳 二七三二円
女は、女であることによってのみ抑圧されるのではない。70年代アメリカ・フェミニズムの驚くべきひろがりのなかで、いまなお沈黙を強いられている黒人やレスビアンたちを視野に入れながら、女たちの多様な生きかたを問い直す。80年代フェミニズムの新しい道を探る。シャープでしなやかな思考に貫かれたリッチの最新批評集。

女から生まれる
アドリエンヌ・リッチ女性論 高橋茅香子訳 五〇四〇円
地球上の人間はすべて女から生まれる。そのことは女に何をもたらし、女から何を奪ったか。妊娠、出産、中絶、子育て、子をもつこともたないこと、母と息子、母と娘……。男中心の社会のなかで、産む性としての女がかかえこむあらゆる問題を検討し、「あたらしい古典」として、大きなインパクトをもって読みつがれる「母性論」の名著。

もう消費すら快楽じゃない彼女へ
田口ランディ 一六八〇円
池袋路上通り魔事件、TOSHIの洗脳事件、酒鬼薔薇聖斗事件、林真須美事件、野村沙知代問題、オウムなど、世の中を騒がせたさまざまな事件/社会現象を通して、あやうく微妙なバランスの上に成り立つ日常生活の、その裏にひそむ静かなドラマを浮かび上がらせるエッセイ集。刹那の時代に生きる人々の、哀しくユーモラスで愛にあふれた現実を描く。

できればムカつかずに生きたい
田口ランディ 一四七〇円
疾風怒濤の半生を送ってきた田口ランディは、何について悩み、考え生きてきたか。ひきこもりの末亡くなった兄のこと、大人に絶望していた17歳の頃について、犯罪被害者たちは恨みつらみをどう晴らせばよいか、プチ家出をする少女たちの心情とは……事件、心の病、家族間・世代間の軋轢などを題材に、ケタ違いの説得力でせまる人生指南コラム集。

新教養主義宣言
山形浩生 一八九〇円
出口のみえない不況、会社はリストラの嵐、年金は先行き不明、学校は崩壊、ドン詰まりで打つ手なしの二ッポン。でもどうせそうなら、もっとアクロバチックでクレイジーな提案をしていこうよ。国家の民営化、選挙権の売買、消費税の連続的引き上げ等々、21世紀の日本社会へ向けた、一見暴論だけど実はまじめで巧妙な提案の数々。いま望まれる新しい知の集積がこれだ。

〈子どもためのライフ・スタイル〉 考える練習をしよう

マリリン・バーンズ 左京久代訳 一七三三円
頭の中がこんがらかって、どうにもならない。このごろ何もかもうまくいかない。あーあ、もうだめだ! この本はそういう経験のあるひと、つまり、あなたのために書かれた本なのだ。人生でつきあたる難問の山を、自分の力で乗りこえていくために、まずその、こわばった頭をときほぐす必要がある。楽しみながら頭のトレーニングをしよう。

実用書の食べ方 

岸本葉子 一六八〇円
料理本、冠婚葬祭などのマナー集、こころの問題、ビジネス書など、実用書の世界はじつに奥が深い。エッセイスト、書評者として活躍する岸本葉子さんが、さまざまな実用書を試した、悪戦苦闘の日々をつづる体験エッセイ。実用書の効能をとくとともに、現代人の悩みやコンプレックス、欲望を明らかにする。

男が文化で、女は自然か? ──性差の文化人類学
アードナー、オートナー他 山崎カヲル監訳 三三六〇円
出産や育児をふくめて、女性は社会のなかで大きな役割を果たしてきたにも関らず、文化的に低い位置しか与えられてこなかったのは何故か。レヴィ=ストロース以後の人類学における「男性=文化、女性=自然」という認識方法をめぐっての刺激的論争を収め、女と男と世界との関係をつくりかえるための新しい文化パラダイムをさぐる本。

ラディカルな意志のスタイル
スーザン・ソンタグ 川口喬一訳 一四二七円
アルトーの狂気、バタイユにおける性、そしてベルイマンの「沈黙」──これら芸術の極点へ挑んだ天才たちの「スタイル」を、ソンタグの驚くべきしなやかな感性が突き抜ける! 「沈黙の美学」「ポルノグラフィ的想像力」をはじめ、ゴダールその他をめぐる刺戟的な映画・演劇論、異色哲学者シオランについての考察など、主要エッセイを一挙に収録。

*表記の定価は2001年3月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。