新教養主義宣言
山形浩生 一八九〇円
出口のみえない不況、会社はリストラの嵐、年金は先行き不明、学校は崩壊、ドン詰まりで打つ手なしの二ッポン。でもどうせそうなら、もっとアクロバチックでクレイジーな提案をしていこうよ。国家の民営化、選挙権の売買、消費税の連続的引き上げ等々、21世紀の日本社会へ向けた、一見暴論だけど実はまじめで巧妙な提案の数々。いま望まれる新しい知の集積がこれだ。

〈子どもためのライフ・スタイル〉 考える練習をしよう

マリリン・バーンズ 左京久代訳 一七三三円
頭の中がこんがらかって、どうにもならない。このごろ何もかもうまくいかない。あーあ、もうだめだ! この本はそういう経験のあるひと、つまり、あなたのために書かれた本なのだ。人生でつきあたる難問の山を、自分の力で乗りこえていくために、まずその、こわばった頭をときほぐす必要がある。楽しみながら頭のトレーニングをしよう。

就職しないで生きるには
レイモンド・マンゴー 中山容訳  一四二七円
嘘にまみれて生きるのはイヤだ。だが生きていくためにはお金がいる。自分の生きるリズムにあわせて労働し、本当に必要なものを売って暮らす。頭とからだは自力で生きぬくために使うのだ。失敗してもへこたれるな。新しい生き方を模索するアメリカの若者たちの姿をいきいきと紹介する。これは、現代を生きぬくための必読の本だ。

できればムカつかずに生きたい
田口ランディ 一四七〇円
疾風怒濤の半生を送ってきた田口ランディは、何について悩み、考え生きてきたか。ひきこもりの末亡くなった兄のこと、大人に絶望していた17歳の頃について、犯罪被害者たちは恨みつらみをどう晴らせばよいか、プチ家出をする少女たちの心情とは……事件、心の病、家族間・世代間の軋轢などを題材に、ケタ違いの説得力でせまる人生指南コラム集。

ナボコフのドン・キホーテ講義
ウラジーミル・ナボコフ 行方昭夫・河島弘美訳 四八九三円
幾百年の歳月のなか、数多くの解釈にまみれてきたドン・キホーテ。だが、解体され、聖書、ジョイス、プルースト、シェイクスピアなどの文学の援用から、あざやかに読みかえられた物語は、これほどまでに刺激的だ。博覧強記にして無手勝流、ナボコフとドン・キホーテの魅力にあふれた、批評の真髄。巻末にはナボコフによる要約を付す。

すぐそこの遠い場所
クラフト・エヴィング商會 一八九〇円
「この事典はね。見るたびに中身が変わってゆくのだよ」不思議な場所アゾットの永遠に未完の事典。遊星オペラ劇場、星屑膏薬、雲母でできた本、忘却事象閲覧塔……。アゾットには、謂れも始まりもわからないたくさんの事や物がつまっている。これらを写真や図版を使って紹介しながら、ノスタルジックな世界へと誘う精巧なファンタジー。

複製技術時代の芸術

ヴァルター・ベンヤミン  編集解説・佐々木基一 一九九五円
複製の技術の発見は芸術のありかたを根元から変革した。芸術の私有観念を排しきった複製技術の意味をまっすぐにみすえ、破壊的要素をになう弁証法の推進力を欠いたすべての文化史的芸術を真向から否認した、ベンヤミンの先駆的、独創的な映像芸術論。注目の二大論文「複製技術の時代における芸術作品」「エードゥアルト・フックス」を収録。

幻獣辞典
ホルヘ・ルイス・ボルヘス 柳瀬尚紀訳  二五二〇円
これはまたなんと奇怪で、なんと不思議な悦びに充ちた本だろう。現代文学の巨人ボルヘスが、その驚くべき学識を傾けて、ケンタウロスからチェシャ猫まで、古今東西の空想上の生き物を百二十項目にわたって集成。人類の恐れと夢、そして宇宙の謎とがたがいにこだまし、響きあって創造した幻想の動物が、今ここに甦る! イラスト=鈴木康司

ボルヘス怪奇譚集
J・L・ボルヘス A・B・カサレス 柳瀬尚紀訳 二五二〇円
印度や中国の故事に、アラビヤンナイトの世界に、もちろんカフカやポーの作品に……古今の厖大な典籍を渉猟、その博識博捜のかぎりをつくしてボルヘスが選び抜いた、途轍もない怪談奇談・珍聞異聞九十余篇。「物語の精髄は本書の小品のなかにある」と、ボルヘスみずから折紙をつけた絶好の読物。イラストレーション=小島武

マゾッホとサド
ジル・ドゥルーズ 蓮實重彦訳 一九九五円
なぜ、マゾッホは復権されなければならないか。文学史上、そして精神分析学においても、不当に歪曲されてきた十九世紀オーストリアの異色作家マゾッホの宇宙がいま甦える。「サディスムーマゾヒスム」の惰性的な対比を緻密な論理でつき崩し、マゾッホ文学の独創性と優れた現代性を証す、七〇年代を担うフランスの思想家ドゥルーズの画期的な書。

*表記の定価は2001年1月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。