老親とともに生きる
向井承子 一八三五円
向井さんが老父母と同居しはじめたのは、1972年の春。「親孝行も数年のこと」と思った向井さんの「誤算」とは? 老父母との20数年の暮らしを記録し、日本の老人医療・福祉のありかたを根本から問い直す本。「けっして老人を見放さずに活路を開いてゆく著者の勇気ある知恵と誠実さに心を打たれる」(信濃毎日新聞・青木やよひ氏評)

小児病棟の子どもたち
向井承子 一七三三円
さまざまな病いが子どもを蝕む。腎臓病。小児喘息。心臓疾患。自閉症。登校拒否症。重症心身障害児とよばれる子どもたち。病気とのたたかいは、子どもを病気に追いつめてゆくものとのたたかいなのだ。四国のある国立小児病院を舞台に、今日の医療最前線での、医師、看護婦、子どもたちのたたかいを描く、書き下ろしノンフィクション。

お母さんの仕事 お父さんの仕事
向井承子編著 一二六四円
安心できるほんものの食べ物を、と産地と提携した消費者活動を支える人がいる。居間を解放して近所の子どもたちを遊ばせる人、障害を持つ人の身の回りの道具を、一つ一つ手作りする人がいる──。働きながら子どもを育て、子どもを育てながら働く。仕事をもつ親から、子どもたちへ、九つのメッセージをおくります。

がん患者学
柳原和子 二七三〇円
自らもがんを患った著者が、五年生存をはたしたがん患者20人に深く、鋭く迫ったインタビュー集。患者たちは誰もが、代替医療、東洋医学など、複数の療法を取り入れ、独自の方法をもっていた。それらと病気への心構えは、患者と家族にとって参考とばかりでなく大きな励みとなるだろう。孤立無援に闘ってきた、患者の知恵を集積する、患者がつくるがんの本。

患者と医者は本当にわかりあえるか
堀夏樹  一六八〇円
何人もの末期がん患者を看取ったひとりの医者が、なぜインフォームド・コンセントが必要なのかを考えてゆく。医療とは病気を治すことだけで終わるものなのか。医者は患者に何ができるか。そして母をがんで亡くし、はじめてわかる患者の家族の気持ち。不安と迷い。試行錯誤をくりかえしつつ患者と医者のよりよき関係をさぐる真摯で切実な記録。

癒える力

竹内敏晴 一五七五円
私たちの「からだ」はみずから癒える力をひめている。閉じこめられた「からだ」を目覚めさせ、新しい自分を見いだすには、どうすればよいか? からだの語ることばに耳を澄まし、人と人との響きあう関係をひらく道をさぐる。長年にわたる「からだとことばのレッスン」の現場での経験と洞察をもとに書かれた、いま孤立に苦しむひとにおくる本。

医療倫理の夜明け ──臓器移植・延命治療・死ぬ権利をめぐって
デイヴィッド・ロスマン 酒井忠昭監訳  三七八〇円
多くの人が病院で死を迎える今、誰が人の生と死を決めるのか。患者に秘密で行われた新薬の実験、脳死からの臓器移植、植物状態の娘の死ぬ権利をめぐりあらそわれた「クィンラン事件」など、急激な技術の発展に伴う医療倫理の問題を、実際の医療事件や裁判を通して考えるノンフィクション。患者の権利と未来の医療のあるべき姿を提言する。

〈サックス・コレクション〉 レナードの朝
オリバー・サックス 石館康平・石館宇夫訳 二九五七円
若き脳神経科医サックスが赴任した病院には食欲も人間らしい表情もない半昏睡状態の患者たちがいた。彼らはサックスの渾身の治療によって数十年の眠りから「めざめ」るが、それもつかのま、恐ろしい「副作用」との闘いがはじまるのだった。レナードをはじめ、病とともに生きる20人の患者たちと正面 から向きあった感動の記録。傑作医学エッセイ。

医学は何ができるか

ルイス・トマス 石館康平、中野恭子訳  二八五四円
好奇心にみちた科学者の目と、患者に触れるあたたかい手。アメリカを代表する医学者の原点は、町医者の父が患者と親身につき合う姿だった。抗生物質の導入で、死病が激減したインターン時代の「革命」。免疫学に没頭した研究室の日々。看護婦だった母の思い出──自らの歩みを綴りつつ、「もっとも若い科学」である医学の今と未来を語る。

マラリアvs. 人間
ロバート・S・デソウィッツ  栗原豪彦訳 二五四八円
世界史上、人類の死因第一位のマラリア。一時は撲滅寸前といわれたこの感染症が、今ふたたび猛威を振るい始めているのはなぜか。行政、医学者、製薬会社。病を拡大させる現代の奇怪な医療構造を暴くメディカル・ノンフィクション。「エイズと厚生省の対応にも通じる」(日本経済新聞評)「スリリングでいかにも人間臭い物語」(読売新聞評)

*表記の定価は2001年1月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。