女優になりたい
吉田日出子  一八三五円
自由劇場「上海バンスキング」でその存在を強烈に印象づけた個性派女優、吉田日出子の初の自伝的エッセイ。多感な少女時代から、60年代の小劇場の黎明期に重なる青春の日々、演劇ブームの頂点から脱走を図った迷いの季節……。語ること。歌うこと。演じること。30年にわたる女優人生の軌跡と不思議な内面世界を明かす貴重な一冊。

歌う演劇旅行
斎藤晴彦  一八九〇円
さあ、ごいっしょに! 斎藤晴彦の行くところ、いつも歌あり芝居あり。少年時代、疎開先であった旅まわりの役者の思い出。みずから所属する劇団黒テントの活動。ミュージカル『レ・ミゼラブル』の魅力。ナット・アダレイや三木鶏郎によせる尊敬の念。舞台のたのしみを表から裏から自在に綴る、痛快無比にして出たとこ勝負のエッセイ集。

小津安二郎のまなざし
貴田 庄  二四一五円
小津安二郎の映画には、一見物語には無関係に思える奇妙なショットがちりばめられている。枕もとに置かれた目覚し時計。風にひるがえる洗濯物。煙のたなびく煙突。……。小津の観客には忘れがたいそれらのショットを精細に分析し、その映画術の深奥に迫る。小津映画の秘密をすみずみまで解き明かす、画期的な書き下ろし評論。

シネマで夢を見ていたいねん
芦屋小雁  二九四〇円
「映画は醒めて観る夢や。映写機にかけたらこの眼で観られる夢や……。」忍術映画や猫化け映画。キング・コングやドラキュラ、フランケンシュタインなど銀幕の怪物たち。怪奇SF映画のフィルム・コレクターとしての歓びと哀しみ……。上方喜劇の人気者の著者が、コメディアン人生をたどりつつ綴る、この世ならぬ夢と不思議のシネマに捧ぐ讃歌。

隣人記
鶴見俊輔 二四一五円
人生を振り返ってみると、そこには多くの隣人たちがいる。小学校の同級生。アメリカで出会った哲学者。家族の人たち。そして時代を共に歩いた同伴者や先を歩いている人々。人々だけではない。書物もあり食べ物もありテレビも隣人。老いが深まるにつれ隣人はゆったりと姿を現わしてくるのだ。淡々とした年の重ね方の中ではぐくまれた死生観が聞こえてくる。

シリーズ・植草甚一倶楽部 (全5冊)
植草甚一の読書誌
植草甚一 解説・大岡玲  一五二九円
いまも部屋のなかを見まわしながらこんどは誰のを読もうかなと考えていると、気持ちが浮き浮きしてくる──待ってました! 極め付き植草流読書術のエッセンス。「鬼平犯科帳」からシムノンまで、江戸川乱歩からカルヴィーノまで、元祖活字中毒者の決定版「本とつきあう法」。

植草甚一の散歩誌 植草甚一
植草甚一 解説・南伸坊 一五二九円
「ぼくのは大正式散歩とでも名付けると、どうやらピッタリしそうだ。小学生のころの散歩のしかたが、そのまんまなのである。──」東京は新宿、人形町から、大好きなニューヨークのグリニッチヴィレッジまで。いろんな店をひやかしながら街をブラつき、洋書をどっさり買い込んではコーヒーで一服。散歩の達人が街歩きの極意を伝授!

植草甚一の映画誌
植草甚一 解説・中野翠  一五二九円
大好きな映画の題名が話のあいだに出てくると、とたんに一番うなった場面が、頭の中に浮かび上がってくるんです。──トリュフォー、フェリーニ、ヒッチコック……。メモ帳と鉛筆をもって、いざ映画館へ。映画がなければ夜も昼も暮らせない「シネマディクトJ」がおくる縦横無尽の映画案内。

植草甚一の芸術(アート)誌
植草甚一 解説・斎藤晴彦  一五二九円
「昨年の夏のおわりころから、急にモダン・ジャズがすきになってしまって、レコードばかり聴いて暮らしていた。──」48歳にして、ジャズのトリコになってしまった植草さん。その経緯をいきいきと描いた名篇「モダン・ジャズを聴いた600時間」をはじめ、コラージュ、漫画、現代美術などにかんする、胸躍るエッセイ群をここに集成!

植草甚一の収集誌

植草甚一 解説・川本三郎  一五二九円
「じつはぼくは散歩に出て、何か買って帰らないと、その晩は原稿を書く元気がなくなってしまうのである。──」古本。レコード。洋服。アクセサリー。郵便切手。ライター。カメラ……。神保町からニューヨークまで、植草さんが手にとったものは、どんな安物でも。二つとない宝物になった。伝説的コレクター・ウエクサ真骨頂をあかす一巻。

*表記の定価は2000年9月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。