すぐそこの遠い場所
クラフト・エヴィング商會 一八九〇円
「この事典はね。見るたびに中身が変わってゆくのだよ」不思議な場所アゾットの永遠に未完の事典。遊星オペラ劇場、星屑膏薬、雲母でできた本、忘却事象閲覧塔……。アゾットには、謂れも始まりもわからないたくさんの事や物がつまっている。これらを写真や図版を使って紹介しながら、ノスタルジックな世界へと誘う精巧なファンタジー。

記憶のつくり方

長田弘 一八九〇円
心の中で仄かな光を放つ、さりげなくかけがえのない経験。記憶の木はどのように育ち言葉を実らせるのか。闇、死、友だち、路地の奥、肩車、雨……。忘れられない光景、思いがけない出来事にひそむ生の一瞬の輝き。人生の秘密を鮮やかに照らす珠玉の詩文集。「虹の光彩のような言葉の束だけではなく、鋭く今を撃つ言葉がここにある」(朝日新聞評)

自分をまもる本 ──いじめ、もうがまんしない
ローズマリー・ストーンズ 小島希里訳  九九九円
いじめは今、私たちがかかえる最も大きな問題。身近な実例をもとに、きずついた心を癒し対処する方法を、やさしい文とイラストで綴る。「いじめ対策」先進国イギリスで大反響を呼んだハンドブック。「子どもたちに向けて『元気を取り戻す方法』を具体的に示す本」(朝日新聞)、「大人にもぜひ読んでほしい」(毎日新聞)など各紙誌絶賛!

フォトガイド 東京歩き
木戸征治  一九三七円
こんなところが東京にあったのか。樋口一葉が暮らした本郷の露地。中世の土木技術を伝える羽村の井戸。隅田川の流し雛。開業当時の面 影を残す地下鉄稲荷町の駅。新宿御苑のプラタナスの巨樹……。次の休日に訪れてみたくなる東京の、はとバスの行かない名所旧跡79か所を、つややかな写 真と軽やかなエッセーで案内する。

植草甚一の散歩誌
植草甚一 解説・南伸坊 一五二九円
「ぼくのは大正式散歩とでも名付けると、どうやらピッタリしそうだ。小学生のころの散歩のしかたが、そのまんまなのである。──」東京は新宿、人形町から、大好きなニューヨークのグリニッチヴィレッジまで。いろんな店をひやかしながら街をブラつき、洋書をどっさり買い込んではコーヒーで一服。散歩の達人が街歩きの極意を伝授!

庭のない園芸家
平野恵理子 一九九五円
歩けばそこが庭になる。ベランダで芽吹きを待ち、町を散歩し、植物園や南の島を探訪する。永井荷風、深沢七郎らの文学や映画に園芸の醍醐味を知る。身近な植物とむきあうイラストレーターによる、都市生活者のための、とっておき園芸術。「安らぎと共感が持てる」(読売新聞評)「ガーデニングをブームに終わらせない条件が潜んでいる」(日本経済新聞社評)

ベスト版 文学のおくりもの  ひとつのポケットから出た話

カレル・チャペック 栗栖継訳  一八九〇円
かけだし刑事メイズリーク登場! さっそくアタマを抱えたその難題たるや、意外にも……? 絶妙のユーモアがさえる「ドクトル・メイズリークの立場」を巻頭におき、〈園芸家チャペック〉ならではの好篇「青い菊の花」など、ひと味もふた味もちがったミステリー24篇を収録。思わずうれしくなってしまう不思議な「ポケットの中の図書館」!

紀行・お茶の時間
伊藤ユキ子  二二〇五円
一杯のお茶にやどる至福のひとときに誘われて、北京、香港、モンゴル、ウズベキスタン、そしてヨーロッパのあちこちへ。秘伝の飲み方、喫茶にまつわる歴史、銘茶を育む風土を訪ねるうちに出会った、人々の忘れがたいもてなし……。暮らしにとけこんだ“お茶の時間”の豊かさ奥深さをあざやかに描き出す、心躍る紀行。JTB紀行文学大賞受賞。

田舎暮らしの達人たち
岡村健編 一七八五円
イーデス・ハンソン。野田知佑。フローレンス西村。田島征彦。俵萌子。上條恒彦。C・W・ニコル……。都会で活躍してきた12人が、不便さを受け入れながらなお余りある喜びと充実の日々をつづる「第二の人生」へのヒント。「田舎暮らしは生き方を問いなおすことだと教えられる」(朝日新聞評)

独学のすすめ
谷川健一  二三四五円
南方熊楠。柳田国男。折口信夫。吉田東伍。中村十作。笹森儀助。明治から昭和にかけて、既成の知識に縛られず、誇りをもって自分の道を切りひらいた巨人たちの生きかたを、民族学の第一人者が語る。「暖かで芯の強い語り口には、読者への強い信頼が感じられる」(日刊ゲンダイ)「混迷の時代に、静かな勇気を与えてくれる一冊」(静岡新聞)

*表記の定価は2000年6月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。