兄とアルツハイマー病
ナディーヌ・トランティニャン 佐藤潔訳  一九九五円
忘却の病に侵されたフランスの名優クリスチャン・マルカン。闊達な兄の変貌を受けいれるまでの苦悩と早期発見できなかった無念、愛と尊敬ゆえに揺れ動く心を、深い絆で結ばれた妹がつづる。アルツハイマー病患者と家族のながい歩みを伝える痛切な手記。

母、美しい老いと死

アンヌ・フィリップ 吉田花子訳 一七八五円
死にゆく母に、わたしは何ができるだろう? ままならない体をおして、ひとりで暮らす自由を守りぬ いた母が、いま臨終の床にある。希望のない延命措置は退け、あたうかぎり自然な死をこの家で迎えたい──望んでいた最期をまっとうできるよう、医療者の力をかりながら娘はよりそう。九十歳で逝った母の最晩年を綴る切実な記録。

車椅子の高さで
ナンシー・メアーズ 青海恵子訳 二四一五円
人生半ばにして負った障害をどう受け入れ、生きる喜びを見いだしていくか……。29歳で多発性硬化症と診断された著者は、移動の自由をじわじわと失ない、やがて車椅子暮らしになる。病気の進行にともなう不安。介護者である夫との関係。性の問題、旅の喜びと困難。車椅子の高さから見た世界を豊かに綴る、知性とユーモアあふれる感動のエッセイ。

老親とともに生きる
向井承子 一八三五円
向井さんが老父母と同居しはじめたのは、1972年の春。「親孝行も数年のこと」と思った向井さんの「誤算」とは? 老父母との20数年の暮らしを記録し、日本の老人医療・福祉のありかたを根本から問い直す本。「けっして老人を見放さずに活路を開いてゆく著者の勇気ある知恵と誠実さに心を打たれる」(信濃毎日新聞・青木やよひ氏評)

ただいま故障中! ──わたしの晩年学
上野瞭 二二〇五円
はてさて、人生いかに終わるべきか──。友の晩年に想いをはせる。土手の雑草に心を寄せる。本や映画に男と女のままならぬ 人生をかいま見る。自らの意志で死を選ぶ「ハムレット法案」の成立を大胆に夢想する。歳を重ね、病いの待ち伏せにあって、はじめて思い至った日々に宿る幸福の感覚。児童文学者の痛快にして味わい深いエッセイ。

自立する老後のために
高見澤たか子 二四一五円
老いの日々をどうやって生きるか。息子や娘の家族と同居する。あえて一人暮らしを選ぶ。老人ホームで暮らす。……日本で、ベルギーで、オランダで、それぞれの生き方を選択した人々と、その家族たち、彼らを支える病院や福祉施設を訪ねて、老後の本当の幸福とは何かを問う、書き下ろしノンフィクション。

日本人の老後

グループなごん編 二九五七円
心とからだ、衣食住、趣味や仕事、家族との関係、介護することされること、死について。百人の生の声を聞きとり、これからの老後のあり方を浮かびあがらせる大型インタビュー集。誰にも訪れる老後を自分らしく生きるために。登場するのは、明治、大正に生まれ昭和をまるごと生きてきた人々。次世代への貴重なメッセージを伝える一冊です。

老人と生きる食事づくり ──老人給食協力会〈ふきのとう〉の記録
老人給食協力会〈ふきのとう〉編 二三一〇円
毎週金曜日の昼になると、東京世田谷にある桜丘区民センターに、地域に住む老人たちが集まり、ボランティアの主婦のつくった食事を楽しむ。一九八三年にスタートして以来、老人給食を通 じて、子供から老人まで地域に暮らすすべての人が共生できる町づくりをめざして活動を続ける主婦グループの七年間の記録。

おばあさんになるなんて
神沢利子 一六八〇円
くまの子ウーフは、どこから生まれたのか? 自伝『流れのほとり』を書くきっかけは? 創作のエピソードを織りまぜながら、童話作家は、自らの人生の歩みを初めて、ゆったりと話しだした。樺太の少女時代。戦後の貧しい生活。作家としてのスタート──。創作童話(「サクラ色のワンピース」「五つのクジラのストーリー」)も収録。

老親介護 こんなときどうする
川島淳子、敷田牧子 一九九五円
誰にでも必ず訪れる、親の介護。その時、暮らしはどう変わるのか? 二人の女性が介護の現場を徹底取材。誰もが直面 する悩みや迷いをケース別にあげ、体験者や専門家の知恵から具体的な解決法を探る。ひたすら我慢の介護ではなく、介護する側の暮らしも大切にした、これからの介護とは? 慌てず、無理せず、取り組むために。ヒントに満ちた一冊。

*表記の定価は2000年2月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。