ポラエヴァシー荒木語録

――オレはよく「おイタ」というけれども、
ポラには「おイタ」のセンスがあるんだよ。
やんちゃな気分ってあるだろう。
幼年から少年くらいの感覚の快感がある。
ポラは大人になれないからね。
だから「おイタ」にぴったりでさ。
撮っているとワクワクしてくんの。

――ポラは2人だけのものなんだ。
そういう秘密っぽいことがなくちゃ。
写真はそういうことがいちばん大切なのに。
だから1枚しかないというのがいいんだ。
でもオレだけのものじゃないんだよ。
そういうことなんだよ、これは。

――ふつうのカメラだとダメ、構えちゃうから。
これはすぐに雑誌に出されるぞと思うわけ。
ポラはオモチャみたいなものだから、
そんなこと全然思っていない。油断しすぎだよ。
でも、実はいちばん写真に近い。
ちゃんとした写真になっていなくてもね。
そんな感じがオレにはあるんだよ。

――写真のいちばんおもしろいところは、
被写体とのコミュニケーションなんだよ。
「キミとボクのためだけなのよ」
という感じだけでいいの。
そういうことがおもしろいんだから。