自立する老後のために
高見澤たか子 二四一五円
老いの日々をどうやって生きるか。息子や娘の家族と同居する。あえて一人暮らしを選ぶ。老人ホームで暮らす。……日本で、ベルギーで、オランダで、それぞれの生き方を選択した人々と、その家族たち、彼らを支える病院や福祉施設を訪ねて、老後の本当の幸福とは何かを問う、書き下ろしノンフィクション。

〈サックス・コレクション〉左足をとりもどすまで

オリバー・サックス 金沢泰子訳 二二〇五円
左足に大ケガを負った脳神経科医サックス。手術し傷は癒えたが、なぜか左足が自分のものだと感じられない。神経障害のため、脳のなかの左足のイメージが失われてしまったのだ。すぐれた医者が、回復までの自己の症状の変化と「患者」として生きる者の内面 をつづる。心とからだ、病と癒し、患者と医者のありかたを考えるメディカル・エッセイ。

〈サックス・コレクション〉 レナードの朝
オリバー・サックス 石館康平・石館宇夫訳 二九五七円
若き脳神経科医サックスが赴任した病院には食欲も人間らしい表情もない半昏睡状態の患者たちがいた。彼らはサックスの渾身の治療によって数十年の眠りから「めざめ」るが、それもつかのま、恐ろしい「副作用」との闘いがはじまるのだった。レナードをはじめ、病とともに生きる20人の患者たちと正面 から向きあった感動の記録。傑作医学エッセイ。

〈サックス・コレクション〉 妻を帽子とまちがえた男
オリバー・サックス 高見幸郎・金沢泰子訳 二九五七円
人間への信頼をとりもどすために。映画『レナードの朝』の原作者、脳神経科医サックス博士がつづる24の感動の物語。脳神経に障害をもち、不思議な症状があらわれる患者たち一人一人の豊かな世界にふみこんだ、人間の心と体への深い洞察にみちた傑作メディカル・エッセイ。「科学的な物語が、同時に感動的だとは驚くべきことだ」(読売新聞評)

車椅子の高さで
ナンシー・メアーズ 青海恵子訳 二四一五円
人生半ばにして負った障害をどう受け入れ、生きる喜びを見いだしていくか……。29歳で多発性硬化症と診断された著者は、移動の自由をじわじわと失ない、やがて車椅子暮らしになる。病気の進行にともなう不安。介護者である夫との関係。性の問題、旅の喜びと困難。車椅子の高さから見た世界を豊かに綴る、知性とユーモアあふれる感動のエッセイ。

もうひとつの手話 ──ろう者の豊かな世界
斉藤道雄 一九九五円
日本には二つの手話がある。日本語を手指で表した〈手指日本語〉とろう者本来の言葉〈日本手話〉。テレビや通訳で見かける多くは〈手指日本語〉。一方、ろう者は〈日本手話〉でこそ本当の気持ちを表せるという。音声語とは全く異なる独自の単語、文法をもつこの豊かな言語を明かし、知られざるろう社会を描き出す、秀逸なノンフィクション。

癒える力

竹内敏晴 一五七五円
私たちの「からだ」はみずから癒える力をひめている。閉じこめられた「からだ」を目覚めさせ、新しい自分を見いだすには、どうすればよいか? からだの語ることばに耳を澄まし、人と人との響きあう関係をひらく道をさぐる。長年にわたる「からだとことばのレッスン」の現場での経験と洞察をもとに書かれた、いま孤立に苦しむひとにおくる本。

老親介護 こんなときどうする
川島淳子、敷田牧子 一九九五円
誰にでも必ず訪れる、親の介護。その時、暮らしはどう変わるのか? 二人の女性が介護の現場を徹底取材。誰もが直面 する悩みや迷いをケース別にあげ、体験者や専門家の知恵から具体的な解決法を探る。ひたすら我慢の介護ではなく、介護する側の暮らしも大切にした、これからの介護とは? 慌てず、無理せず、取り組むために。ヒントに満ちた一冊。

医学は何ができるか

ルイス・トマス 石館康平、中野恭子訳  二八五四円
好奇心にみちた科学者の目と、患者に触れるあたたかい手。アメリカを代表する医学者の原点は、町医者の父が患者と親身につき合う姿だった。抗生物質の導入で、死病が激減したインターン時代の「革命」。免疫学に没頭した研究室の日々。看護婦だった母の思い出──自らの歩みを綴りつつ、「もっとも若い科学」である医学の今と未来を語る。

患者と医者は本当にわかりあえるか
堀夏樹  一六八〇円
何人もの末期がん患者を看取ったひとりの医者が、なぜインフォームド・コンセントが必要なのかを考えてゆく。医療とは病気を治すことだけで終わるものなのか。医者は患者に何ができるか。そして母をがんで亡くし、はじめてわかる患者の家族の気持ち。不安と迷い。試行錯誤をくりかえしつつ患者と医者のよりよき関係をさぐる真摯で切実な記録。

*表記の定価は2000年1月現在のものです。定価、仕様は予告なく変更する場合があります。