柳田国男 ──21世紀の日本人へ
一〇五〇円
毎日の言葉/喜談日録より。日本全国の民の暮らしと言葉を訪ね歩き、『遠野物語』『海上の道』などによって、独創的でダイナミックな民俗学を打ち立てた柳田国男。ことばが時代とともに変わるなら、よりよき方向に変わってほしい……。日本語への深い愛情にうらうちされた、ユーモアと知恵にみちた名エッセイ。

独学のすすめ
谷川健一  二三四五円
南方熊楠。柳田国男。折口信夫。吉田東伍。中村十作。笹森儀助。明治から昭和にかけて、既成の知識に縛られず、誇りをもって自分の道を切りひらいた巨人たちの生きかたを、民族学の第一人者が語る。「暖かで芯の強い語り口には、読者への強い信頼が感じられる」(日刊ゲンダイ)「混迷の時代に、静かな勇気を与えてくれる一冊」(静岡新聞)

怪物科学者の時代
田中聡 二四一五円
明治時代以降、近代科学に対し、古来からの文化との融合を図った人々がいた。佐田介石。井上円了。桜沢如一。福来友吉。寺田寅彦。橋田邦彦。南方熊楠。稲垣足穂……。彼らの一見怪しくとも大まじめな研究は、その時代の切実な知的闘争であり、その課題は近代を超えられぬ私たちのものでもある。科学のフォークロアとしての異色科学者列伝。

日本のミイラ仏をたずねて
土方正志 写真・酒井敦 二六五〇円
きびしい断食修行のすえ、生きながら土中でミイラとなった僧侶たち。芭蕉も参拝した14世紀の弘智法印から、明治を生きた仏海上人まで、全国18体の即身仏を訪ね歩く。出羽三山の仙人沢、美濃の名だたる古刹、念仏がこだまする京の洞窟……。さまざまな伝承、信者の声、貴重な写真を多数おさめた「即身仏紀行」。カラー口絵8頁。

型録・ちょっと昔の生活雑貨
林丈二 一八九〇円
明治の初期にはじまった通信販売。当時のカタログには、鉛筆、魔法瓶、料理ストーブ、帽子掛、お丸、ハンモック……ありとあらゆる暮らしの道具が掲載されている。300点もの貴重な図版とエッセイで丹念に掘り起こす、衣・食・住の道具が語る日本人の生活史。一歩でも西洋人に近づきたかった、ちょっと昔の日本人の暮らしが見えてくる。

鳥を描き続けた男 ──鳥類画家小林重三
国松俊英  二四四七円
大正、昭和と六十年にわたって、ひたすら鳥の絵を描き続けその絵はいまも鳥を愛する人々を魅きつけてやまない。忘れられた鳥類画家の生涯を掘り起こし、日本の鳥学を築いた人びとの情熱を蘇らせる、興趣あふれる伝記。「小林の生涯に関心を持つ人ばかりでなく、日本の鳥学の黎明期を知りたい人にも役に立つ本である」(『野鳥』評)

インド洋の小さな国 ──モルジブ諸島文化誌

藤沢高治  一八三五円
ボートに揺られてほんとの人間と会いに──。手品師、髭、海賊、そして南島にとりつかれた文化人類学者。新しい生きかたをもとめて日本をとびだした若い日本人四人が、赤道をはさんでインド洋に浮かぶ珊瑚礁の国モルジブ諸島を巡る。ココヤシ一本で暮らしがたつ、自然のリズムに合わせた生活を営む人々とののびやかな出会いの記録。

南島周遊誌
藤沢高治  一八三五円
沖縄・奄美から、インド洋のモルジブ、セイシェル、そして南太平洋のニューカレドニア、タヒチへ──「地球最後の楽園」とよばれる南海の島々に魅せられて26年。旅する人類学者が、豊かな自然の風物や宇宙のリズムと一体になって暮らす人々との出会いを通じて、時間やモノや言葉に縛られない、柔らかくのびやかな文化の本質をさぐる。

西表島自然誌 ──幻のオオヤマネコを求めて
安間繁樹  一九三七円
島を埋めつくす原生林。頻繁に襲来する台風。マラリア。西表島は人間の侵入を拒み続けてきた。この島に魅せられて二五年、気鋭の動物学者が書き下ろした西表島の自然と生活。ヤマネコの棲む島での人々の逞しい生き方を綴る。「自然とじかにつきあい、ともに生きようとする島民へのやさしい共感にあふれている」(日経新聞)

ボルネオ島最奥地をゆく
安間繁樹  二三四五円
いま地球上で最も激しい変化にさらされているのがボルネオ島である。その最奥地を旅し、滅びゆく自然と生活とを描く動物学者による貴重な旅の記録。自然とともに生きる、ボルネオ島先住民の生きかたを伝える。「最奥地の生き物と出会い人々の暮らしに交ざる、ちょっと風変りな紀行も楽しそうだ」(朝日新聞・杉山光信氏評)