〈サックス・コレクション〉 妻を帽子とまちがえた男
オリバー・サックス 高見幸郎・金沢泰子訳 二九五七円
人間への信頼をとりもどすために。映画『レナードの朝』の原作者、脳神経科医サックス博士がつづる24の感動の物語。脳神経に障害をもち、不思議な症状があらわれる患者たち一人一人の豊かな世界にふみこんだ、人間の心と体への深い洞察にみちた傑作メディカル・エッセイ。「科学的な物語が、同時に感動的だとは驚くべきことだ」(読売新聞評)

〈サックス・コレクション〉 レナードの朝
オリバー・サックス 石館康平・石館宇夫訳 二九五七円
若き脳神経科医サックスが赴任した病院には食欲も人間らしい表情もない半昏睡状態の患者たちがいた。彼らはサックスの渾身の治療によって数十年の眠りから「めざめ」るが、それもつかのま、恐ろしい「副作用」との闘いがはじまるのだった。レナードをはじめ、病とともに生きる20人の患者たちと正面 から向きあった感動の記録。傑作医学エッセイ。

〈サックス・コレクション〉 偏頭痛百科
オリバー・サックス 後藤眞・石館宇夫訳 二五四八円
シーザー、カント、フロイトはじめ、有史以来、人類の十人の一人が苦しんでいる偏頭痛。その苦しみは過去二千年にわたって語りつがれてきたが、その正体はいまなお解明されていない。誰にでも思いあたる豊富な症例を分析、その原因と治療法をわかりやすくまとめた世界で初めての本。20世紀の優れたクリニカル・ライターによる画期的な本。

〈サックス・コレクション〉左足をとりもどすまで

オリバー・サックス 金沢泰子訳 二二〇五円
左足に大ケガを負った脳神経科医サックス。手術し傷は癒えたが、なぜか左足が自分のものだと感じられない。神経障害のため、脳のなかの左足のイメージが失われてしまったのだ。すぐれた医者が、回復までの自己の症状の変化と「患者」として生きる者の内面 をつづる。心とからだ、病と癒し、患者と医者のありかたを考えるメディカル・エッセイ。

〈サックス・コレクション〉 手話の世界へ
オリバー・サックス 佐野正信訳 二一四一円
音声言語にまさるともおとらぬ豊かな表現力をもつ「手話」。手話が禁じられた時代から今日まで、ろう者の歴史を辿りつつ人間の脳の驚くべき潜在力を明らかにする。人間のコミュニケーションに新たな可能性をひらくこの言語を通して、ろう者の文化に光をあて、言葉とは何か、人間とは何かを新しい視点で捉えなおす優れたメディカルエッセイ。

手を洗うのが止められない
ジュディス・ラパポート 中村、木島訳 二九五七円
何時間も続けて手を洗う。部屋中に砂糖をまく。ゴミで埋まった家に住む。家の戸をくぐれない。髪や睫毛を抜かずにはいられない。全米で400万人以上が苦しむ強迫性障害。この病と20年間むきあってきた精神科医が、病を隠し不安に苛まれる患者たちの生の声を聞きとり、具体的な治療法を綴る。騒然たる話題を呼んだ感動のメディカルエッセイ。

理解できない悲惨な事件

リンダ・ウルフ 間山靖子訳 二三四五円
大学教授の売春婦殺害、少年の両親殺害、女性医師の謎の蒸発──ごく普通の人々がおかした「理解できない事件」の数々。いったい彼らに何が起きたのか? 独自の調査をもとに報道では見えてこない事件の深層を読み解く、緊迫感あふれる力作ノンフィクション。

癒える力

竹内敏晴 一五七五円
私たちの「からだ」はみずから癒える力をひめている。閉じこめられた「からだ」を目覚めさせ、新しい自分を見いだすには、どうすればよいか? からだの語ることばに耳を澄まし、人と人との響きあう関係をひらく道をさぐる。長年にわたる「からだとことばのレッスン」の現場での経験と洞察をもとに書かれた、いま孤立に苦しむひとにおくる本。

ある父親 PUZZLE
シビル・ラカン 永田千奈訳 一六八〇円
「ジャック・ラカンはわたしにとってどんな父親だったのか」世界に名高い精神分析学者の娘が、〈パズル〉の断片を集めるように記憶をたぐりよせる。家族の崩壊、思春期の終わりの苦しみ、死の床での拒絶……すべては父のせいに違いない。死んだ父と心をつなぐことはできるのか。涙は癒しにつながるのか。胸に響く凄烈なレクイエム。

もうひとつの手話 ──ろう者の豊かな世界
斉藤道雄 一九九五円
日本には二つの手話がある。日本語を手指で表した〈手指日本語〉とろう者本来の言葉〈日本手話〉。テレビや通訳で見かける多くは〈手指日本語〉。一方、ろう者は〈日本手話〉でこそ本当の気持ちを表せるという。音声語とは全く異なる独自の単語、文法をもつこの豊かな言語を明かし、知られざるろう社会を描き出す、秀逸なノンフィクション。